オリックス若月、投手陣を引っ張る若き司令塔。鈴木コーチも認める「サインで会話ができる」信頼関係【どら増田のオリ熱コラム #81】
オリックスの正捕手争いに新たな顔が台頭してきた。20歳の若き司令塔・若月健矢だ。花咲徳栄高から入団して3年目。伊藤光、山崎勝とこれまでのオリックスを支えてきた捕手陣から正捕手を奪いそうな勢いだ。
2016/07/31
西とのバッテリーで4連勝
「まだクライマックスを諦めてません!」
24日の日本ハム戦で決勝のスクイズを決めて、はじめてヒーローインタビューを受けた高卒3年目のキャッチャー、若月健矢が力強く話すと、ライトのオリックスファンから大きな拍手と歓声が起こった。
すでに自力のクライマックス進出がついえてしまっているオリックスだが、7月に入ってからは11勝11敗(30日現在)と力強さを取り戻しつつある。その原動力となっている選手のひとりが、現在メインでマスクを被っている20歳の若きキャッチャー若月だ。
6月28日の楽天戦で、ベンチが若月の評価を高めるこんなシーンがあった。
3-1でリードの7回。2死1.2塁、バッターは藤田、カウントは2-2という場面。マウンド上の西勇輝は若月が出したサインに首を横に振ったが、さらに同じ球を要求されると、ニヤリと笑みを浮かべて頷いた。
投げたのは外角のスライダー。これがズバッと決まって見逃し三振。西は若月を指差しリードを称えた。それは7月5日のソフトバンク戦でも、西が若月のサインに対して微笑む姿が見られた。西は「ミーティングと違う配球があったので」と笑顔の理由を話していたのだが、実は、これこそが捕手として大切なことなのだと鈴木郁洋バッテリーコーチはいう。
「西は年下のキャッチャーとはじめて組んだので、責任感がでてきて良い方向に進んでるんだと思う。若月も西に対しては良いところを引き出そうとけっこう押して抑えてるから信頼関係が築かれてるよね」
26日のロッテ戦(京セラ)に敗れて西&若月バッテリーの連勝は4で止まってしまったが、若月は「今までは自分が折れなかったんですが、あの日は自分が折れてヒットを打たれた球が何個かあったので、次はその反省を活かしたい」と前を向いていた。