松坂大輔が語る98年と今年の横浜の共通点。『18年周期』で全国頂点へ「運命的なものを感じる。優勝狙える」
怪物・松坂大輔(現ソフトバンク)率いる横浜高校が夏の甲子園を制したのは18年前。さらにその18年前にも夏の甲子園を制している。18年周期の法則ならば、今年は……。
2016/08/07
過去のチームとの共通点
「今年は優勝狙えるんじゃないですか」
そうエールを送るのは、横浜高校を18年前の1998年、甲子園春夏連覇へと導いた“平成の怪物”、松坂大輔。松坂は今年、夏の甲子園出場を決めた後輩たちを、自身の代と重ねるように見守る。
「僕たちも2年生の時から主力で出てて、3年に上がってから優勝した。今年の子たちも、そうですもんね」
たしかに、今年の横浜は、県大会ベンチ入り20名のうち実に半分の10名が、昨夏からのベンチ入りメンバーである。松坂が2年時(1997年)の神奈川大会ベンチ入りメンバーも、20名のうち、ちょうど10名が1・2年生だった。そして、その夏を2年生ながらエースとして経験した松坂大輔、小山良男、後藤武敏など主力メンバー含む9名が、翌年のメンバーに残った。
松坂は、甲子園は間違いないと言われていた2年生の夏、県大会の準決勝で、自らの暴投により敗退。甲子園まであと一歩のところで涙を飲んだ。その悔しさを経て、翌夏、神奈川を圧倒的な強さで勝ち抜き、悲願の甲子園への切符をつかんだ。そして、そのまま勝ち続け、公式戦44戦全勝のおまけ付きで、春夏連覇の偉業を成し遂げた。
「まだ大きな大会で優勝できてないですからね、優勝してほしいですね」と、松坂が自身の高校時代と重ねる今年の3年生は、今でこそ“役者がそろっている”と言われるが、強豪・横浜に入学しながら、ここまで一度も甲子園の土を踏んでいなかった。昨夏は、弱い弱いといわれながらも、ノーシードから県大会決勝まで上り詰めた。しかし、宿敵・東海大相模に0-9と大敗。大きな悔しさを経験したメンバー達は、新チームとなり、リベンジへと燃えた。
主力選手の多くがそのまま残った新チームは、今度は圧倒的だと言われながら、昨秋の関東大会は初戦敗退、春は躍進するも関東準優勝と、ここでもあと一歩、甲子園に及ばなかった。