巨人坂本勇人、過去の自分超えへ――輝きを取り戻した10年目の飛躍【死亡遊戯コラム】
後半戦、首位カープを追いかけるジャイアンツ。その中心にキャプテン坂本がいる。
2016/08/12
充実の2016年に
いつの時代も若い才能が世に出る時、必要なのは実力と出会いとほんの少しの運だ。
2008年の坂本にはそのすべてが備わっていた。
当時のレギュラー遊撃手・二岡智宏の故障もあり、原監督の抜擢で19歳で144試合フル出場。
これは今の巨人で言えば、高卒2年目の岡本和真がレギュラーとして全試合に出るようなものだ。
いや内野の要のショートというポジションを考えると、過去の巨人の10代選手が誰も出来ないことを坂本はやってみせた。
早熟の天才プレイヤー。だからこそ、ここ数年の低迷が歯痒かったのも事実だ。
坂本はこんなもんじゃない。なぜならデビュー当時はあんなに凄かったんだから。
首脳陣やファンが背番号6に期待する根拠は、あの最高にキラキラしていた数年間にあった。
すべてのアスリートは、常に観客から全盛期の姿を求められる。
坂本自身も痛いほどそれを感じ、苦悩していたように見えた。
だが、2016年の坂本勇人は、ようやく「過去の自分」を超えることができたのではないだろうか。
あの頃は凄かったのではなく、今が1番凄い。
そう断言できるだけの充実のシーズンを過ごしている。
もし巨人が逆転優勝をした時は、MVPは坂本勇人だと個人的には思う。
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