27歳小林誠司、26歳橋本到……巨人、次代の主力を託された選手達の現在地【死亡遊戯コラム】
首位・広島の背中を追い続ける巨人。ここ数年の課題はいまだ解決されていない。優勝争いを通じて、次世代の選手がどのような成長を見せていくのか。
2016/08/19
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正捕手のみならず、第2、第3捕手の高齢化が問題
「阿部さんみたいに打って誰からも信頼されてという捕手がベストだと思うし、憧れでもありますけど、阿部さんみたいに打てと言われても今の僕の体力と技術では到底敵わない。僕なりの色を出して、チームが勝つ捕手になりたいと思っています」
春季キャンプで小林誠司にインタビューした時、そう今シーズンの抱負を語ってくれた。
暗くなるまでひとり球場に残り、ウエイトトレーニングに励んでいた背番号22。
今季すでに95試合に出場。6月22日に左肩の骨折で登録抹消されるも、7月8日には1軍復帰。プロ3年目で掴んだ1軍正捕手の座を死守しようと奮闘中だ。
課題の打撃では打率.213、2本塁打、27打点、OPS.552と物足りなさが残るものの、リーグトップのチーム防御率3.41、盗塁阻止率.315とディフェンス面で逆転優勝を狙うチームを支えている。
今風の爽やかイケメンに見えて、昨季2軍降格した時には「いつか見返してやるぞ」と練習に励んだハートの強さを持つ男。
37歳の阿部慎之助は今季一塁手として出場を続けており、今後も巨人の捕手は27歳の小林を中心に回していくことになるだろう。
この阿部から小林への正捕手交代ばかり話題になるが、実は「第2、第3捕手の世代交代」もチームにとって頭の痛い問題だ。
相川亮二が40歳、実松一成と加藤健が35歳。
彼らに代わる控え捕手も準備しなければならないが、15年、16年と1軍の試合で捕手として守備に就いた20代の選手は小林誠司のみ。
鬼屋敷正人や河野元貴といった91年組の若手捕手は14年以降1軍出場がなく、ドラフト4位ルーキー宇佐見真吾はイースタンで打率1割台とプロの壁に苦しんでいる。
小林以外の1軍レベルのキャッチャーをどう育てるかというのも、来季以降の巨人の課題になるはずだ。