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オリックス安達、難病からの復活劇を目指して――「同じ病気の人に勇気を」月間MVPはひとつの証【どら増田のオリ熱コラム #82】

オリックスの安達了一がパリーグ野手部門、7月の月間MVPを獲得した。安達は今年1月、自主トレの途中で体の不調を訴えて緊急入院。難病とされる潰瘍性大腸炎と診断され、春季キャンプはもちろん、開幕も間に合わなかった。「野球ができないかもしれない」状況から、復帰を果たし、月間MVPを獲得するまでには、苦難な道のりだったという。

2016/08/22

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どら増田



ファンの声がいちばんの力に

「野球ができる喜びを感じています」

 5月1日の楽天戦で8回に勝ち越しとなる2点タイムリーを放ち、勝利に貢献。今季初のヒーローインタビューを終えた安達は報道陣に囲まれると、野球ができる喜びを僕は爆発させた。

 安達は今年1月の自主トレ中に体の不調を訴えて緊急入院。「潰瘍性大腸炎」と診断された。

 潰瘍性大腸炎は、厚生労働省から特定疾患に認定されている難病で、血便や下痢、便秘を繰り返すだけではなく、免疫が低下しやすく、風邪などもひきやすい。入院生活は20日間を必要とされ、体重が10kgも落ちるなど、当初は早くても復帰時期は5月と言われた。

 退院して5日後の2月15日に練習を再開。ここで4月下旬の一軍復帰に切り替えると、その後、二軍に合流、野球生活のリズムを少しずつ取り戻すと思ったよりも早く体重も戻ってきた。

 4月2日にソフトバンクとの二軍戦で実戦復帰。その後、フル出場やナイターの生活に慣れるための調整期間を経て、4月12日に一軍に昇格。試合には敗れたがいきなり3打数2安打をマークし、スタートダッシュに失敗したチームに希望を与えた。

「入院をしたことで、野球に対する取り組みが変わりましたね。これまでは当たり前にできていたことが、できなくなったわけじゃないですか。実はいろんな人に支えられていたんだなって気づくことができました。あの頃は野球のことは全く考えられなかったですね」

 安達は入院生活を時折笑みを浮かべながら振り返っていたが、「野球ができなくなるかもしれない」という不安は想像を絶するものだったに違いない。その安達を家族や友人、球団関係者、チームメイトとともに支えたのは、ファンの存在だったという。

「僕はTwitterをやっているので、ファンの皆さんからの声は届いてましたし、とても励みになりました。今もいちばんの力になっています」

 安達の打席時に流れる応援歌のときに、オリックス側の外野席から降り注ぐ大きな「了一」コールは、ホーム球場、ビジター球場関係なく復帰を果たしてからさらに大きくなっている。その声は打席に立っている本人にしっかりと届いていて、安達を後押ししてくれている。

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