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ドラ2佐野泰雄、大成の予感――『知』でプロの世界に挑む【中島大輔 One~この1人をクローズアップ】

ある試合の象徴的なワンシーンを切り抜き、その場面の選手の心理や想いを取り上げる連載企画。今回は、今秋のドラフト会議で埼玉西武ライオンズから2位指名を受けた佐野泰雄だ。11日の埼玉西武ライオンズの新入団選手発表会に、ある視点をもって取材に臨むと、その視点と、佐野が見事に一致したのである。

2014/12/16

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山本昌選手のように長く野球を続けたい

 入団1年目、さらにプロでの目標については、こう話した。
「1年目は、まずは2軍の投手陣、次は1軍の投手陣の競争に勝って、マウンドで投げることが一番の目標です。その先は山本昌選手のように、長く野球を続けることが目標です」

 ストレートの最速は149kmで、カーブを織り交ぜながら緩急をつけていく。そんな左腕のアピールポイントは、「投げる体力」。囲み取材で、スタミナを蓄えた方法について聞いてみた。

「普段から考えて練習して、自分の体と向き合ってきました。それと最大限のケアですね。ケアはマッサージ、風呂、睡眠などですが、休みの日も体を動かして疲労を抜いています」

 ランニングは好きではないという。しかし、走らなければいけない理由を佐野はわかっている。

「ランニングは得意ではないけど、走らないと基礎体力がつかないので。基礎体力があってこそ、技術向上の練習をできます」

 論理的な話しぶりから、思考力の高さが感じられる。そこでストレートとカーブのコンビネーションについて、いつから意識的に取り組んできたのかと聞いてみた。

「大学になってからですね。真っすぐがあってのカーブ、カーブあっての真っすぐと考えています。ふたつを活かすためにスライダーも投げています」

「泰雄」という名前の由来は、母の祖国「タイ=泰」と「英雄」を組み合わせたものだという。
 野球を知的に捉え、計画的に練習しながら自らを高めてきた左腕は、果たしてプロの世界で羽ばたくことができるか。プロで何年も活躍してきたような知性をすでに感じさせる佐野には、大器の雰囲気が漂っていた。

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