『逆転のカープ』へ導く、ヘーゲンズの存在感。見逃せない畝コーチのマネジメント力
今季は逆転勝利が多いカープ。しっかりと投手陣が役割を果たしているのが大きい。中でも先発、中継ぎとフル回転の1年目ヘーゲンズの働きぶりを畝コーチは絶賛する。
2016/08/22
中継ぎに先発にフル回転のヘーゲンズ
中でも、新外国人のヘーゲンズの仕事ぶりには賛辞を惜しまない。
「開幕前は、ジャクソンから中﨑翔太につなぐ勝ちパターンは計算が立っていましたが、そこにつなぐピッチャーになかなか目途がついていませんでした。そこにヘーゲンズがはまってくれたのは大きかったです。しかも、彼のポジションはイニングまたぎもあれば連投もあります。そんな中で十分にやってくれています」
ヘーゲンズの登板数は中継ぎで44試合に達し、防御率も2点台前半をマーク、カープ躍進の大きな推進力になったことは間違いない。
8月、彼に新たなミッションが課された。戸田隆矢や岡田明丈らの故障によって生じた先発陣の一角を担うことになったのだ。
8月14日、DeNA戦、中3日で先発したヘーゲンズは5回1失点のナイスピッチング。持ち味であるストライクゾーンに動く球を投げ込むピッチングが「69球」という無理の少ない球数を可能としたのである。
今シーズン、畝投手コーチがキャンプから投手陣に唱えてきたのは「入りの準備」であった。
「マウンドに上がって、先頭打者の1球目に自分の持てるベストを出すにはどうすれば良いか。そのための、調整であり準備をしっかり考えて欲しい」ということだった。
スコアラー経験が長い畝コーチは、打者に対するミーティングで「入りの1球目」についてのアプローチに時間を割くことが多かった。裏を返せば、「ピッチャーも1球目が極めて重要」ということなのである。
中継ぎに先発に、チームのためにフル回転のヘーゲンズは、どんな役割であれ、万全の準備で「その試合の1球目」に備えている。
来日1年目のジェントルマンの献身と準備がカープの安定した戦いぶりを支えているのである。