1996年以来20年ぶり、セパ両リーグで野手新人王誕生の可能性
現在、セの新人王争いは、得点圏打率.379の勝負強さを武器に3番に座る阪神の高山俊が一歩リード。パでも遊撃ながら打率.275を残す茂木栄五郎が有力候補となっており、96年以来の両リーグ野手新人王誕生となる可能性は高い。
2016/09/01
パは茂木か高梨か
パリーグの候補者は以下のとおりだ。
茂木栄五郎 (楽天) 90試合 .275(320-88) 2本塁打 31打点 OPS.698
高梨裕稔 (日本ハム) 33試合(10先発) 8勝2敗 87回 68奪三振 27四球 防御率1.97
二木康太(ロッテ) 19試合 7勝7敗 104回 72奪三振 23四球 防御率4.85
有力候補の1人である楽天の茂木はここまで守備の要であるショートを守りながら、90試合に出場、打率.275を記録している。故障で7月を全休したため、規定打席には届いていないが、9月以降の27試合で71打席経てば、規定打席到達となる。新人王受賞となれば、1998年の小関竜也(当時西武)以来となるが、打率以外に目立った数字は無い。受賞には「規定打席到達」、「打率.280越え」がポイントとなりそうだ。
もう一人の有力候補は3年目の日本ハム高梨。シーズン当初はブルペンで活躍し、6月途中に先発転向、以降負けなしの6勝,防御率2.02と好投を見せている。昨年はイースタンリーグで奪三振王を獲得したが、今季の奪三振率は7.03と目立って高くはない。懸念されるのはシーズン途中までリリーフだったことによる投票数の伸び悩み。「二桁勝利」、「防御率1点台」、「チームのリーグ優勝」といった分かりやすい数字をどこまで残せるかが、茂木との争いの決め手となりそうだ。
7勝、100イニング越えの二木、新人ながら5勝をあげている西武の多和田真三郎もいるが、どちらも投球内容は芳しくなく、受賞の可能性は低い。
今永・高梨との争いを、高山・茂木の2選手が制すれば、1996年の仁志敏久(巨人)・金子誠(当時日本ハム)以来の両リーグ野手による新人王獲得となる。仁志はこの年、主に三塁手として114試合に出場し、打率.270,17盗塁の活躍。3年目の金子は、117試合に出場、パリーグ最多の38犠打を記録した。
ちなみに両リーグともに野手が新人王に選ばれたケースは1952,59,69,81,84,96年の6度。両リーグともに新人野手の受賞となれば、81年の原辰徳(巨人)・石毛宏典(西武)以来となる。