侍ジャパンU-18で主将も経験。鷹未来の正捕手候補・栗原陵矢は「センスあふれる選手」
ホークスの二軍、三軍には将来性豊かな選手が揃う。2年目の捕手・栗原陵矢もその一人だ。2014年高校日本代表の主将も務めた逸材は、正捕手獲りを目指して、二軍で奮闘している。
2016/08/27
ケガから復帰後、即二軍へ
夏の甲子園も終わり、余韻に浸る間もなく、今年も侍ジャパンU-18代表メンバーが選出された。第11回BFA U-18アジア選手権(8/30~9/4:台中)で、高校日本代表は、通算5度目のアジアの頂点を目指す。
前回のBFA U-18アジア選手権は2014年、タイ・バンコクで開催され、日本は準優勝した。その時に侍ジャパンの主将を務めたのは、現在、福岡ソフトバンクホークス2年目の捕手・栗原陵矢。春江工(福井)時代は、1年春から正捕手、秋には4番も任され、翌春のセンバツ出場の原動力となった。2年秋からは主将となり、再びの甲子園を目指すも、3年の春夏は共に甲子園の土を踏むことができなかった。しかし、超高校級の強肩、打撃、キャプテンシ―などが評価され、夏の甲子園出場者がほとんどの侍ジャパンに選出された。さらに主将を任された。
「最初、高橋光成(前橋育英→埼玉西武ライオンズ)の球は、速すぎて捕れなかったし、小島和哉(浦和学院→早稲田大)の球でミットの紐が切れたんですよ。みんな本当にすごい選手でした」と刺激を受けた当時を振り返る。
2014年ドラフト2位でプロ入り。期待されながら、栗原のプロ野球生活は順調にはいかなかった。2年目の春季キャンプ中に右肩痛を訴え、それから約5カ月リハビリ生活を送ることとなったからだ。
「こんなに野球ができなかったのは初めて」と不安に苛まれていた時、励みになったのは、どんなにケガしていてもひたすらトレーニングし続ける6年目の先輩・坂田将人の存在だった。
坂田と栗原は共に、昨年10月、一軍紅白戦に招集されるなど、今季を期待されていたが、春季キャンプ中に戦線離脱。坂田のひたむきな姿に心打たれた栗原は、「(リハビリ)一緒にやりましょう」と先輩に自ら申し入れ、共に前を向いた。
復帰までもう少しとなった6月下旬には、「もうここまで来たら完璧に治して、そこから一気にやりますよ!」と栗原は目を輝かせた。
そして、実戦復帰の日。「“やっと”野球ができる」と喜びを噛みしめた。
復帰戦となる先月10日の巨人三軍戦で、早速ランニングホームラン。これまでの想いを爆発させるようにバットで結果を出し、1カ月もすると二軍へ昇格した。
それでも藤本二軍打撃コーチは、ケガから復帰後すぐの二軍昇格に驚かない。
「あの子は三軍投手相手じゃ物足りないはず。センスあるからもっと(打席に)立たせてみたい思いはあるよね。今はなかなか出場機会がないが、出したら打つやろうね」と、栗原の能力の高さを認めた上で、今後の成長を楽しみにしている。