柳田抹消の影響は? パリーグ優勝争いの行方。最後は底力の差でホークスV3【小宮山悟の眼】
首位を独走していた福岡ソフトバンクホークスは急失速し、一転パリーグの優勝争いが混沌としてきた。
2016/09/02
急失速の要因は、「李大浩」と関係なし
パリーグの首位争いが熱い。
今年のペナントレースは、開幕して間もなく福岡ソフトバンクホークスが首位に立ち、独走劇を演じてきた。ところが、交流戦明けから北海道日本ハムファイターズが猛追を開始。8月25日には、一時的とはいえソフトバンクをかわし首位に立った。両チームのマッチレースは続き、29日現在、勝率1厘差でソフトバンクが上回っている状況だ。
この展開を生んだ要因は、日本ハムの信じられないような追い上げと、ソフトバンクの信じられないような、もたつきに他ならない。
ソフトバンクの独走優勝を予想していた私としても、この状況は想定外だ。ソフトバンクの選手たちにとっても、これほどチームが不調に陥るのは初めての経験だろう。みんなが慌ててしまい、それが連鎖反応してしまっている。
なかなか上向かない打線の調子に対し、チーム関係者からは、「良いピッチャーと対戦すれば、そんなに点が入るものではない」という逃げの姿勢の声も聞こえてきている。その中には、「去年までは李大浩がいた」という禁断のセリフもあった。
李大浩は昨年まで、そつなく4番の仕事をこなしていただけに、チーム内ではその存在が大きく感じられたのだろう。だから、その不在を嘆きたくもなるのだと思う。
だが、外から客観的に見れば、彼の抜けた穴はそれほど大きくはない。ポジションが一つ空いたことで今季は、調子のよい選手をフレキシブルに起用でき、自慢の選手層をより有効に活用しているように、私の眼には映る。
それなのに、この時期にそんな言い訳めいた逃げの声が聞こえてくるのだから、チーム状況はかなり深刻なのだろう。心配になる。