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カープ・野村祐輔をエースに押し上げた、オフからの『周到な準備』。進化した内角の使い方

優勝に向かって突き進むカープ。今季先発陣の柱へと成長した野村祐輔だ。すべては昨年オフの冬から始まっていた。

2016/09/02

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担当スカウトは春から活躍を予言

 シーズンを通して活躍するため、野村祐輔は、1月の自主トレからハードなトレーニングを自らに課してきた。ランニングによる下半身強化、バランス系、安定したパフォーマンスに結びつけるためのウエイトトレーニング……すべてに時間を惜しまず、丁寧な準備を行ってきた。

 キャンプでも積極的に投げ込む野村に、担当スカウトだった苑田聡彦(スカウト統括部長)は言った。「15勝はするぞ」。
 その予感は正しかった。開幕からコンスタントに白星を重ね、6月には4勝をマークし、月間MVPにも輝いた。7月29日DeNA戦で4回8失点を喫したものの、8月に入ると、また安定したゲームメイクぶりを見せている。

 今シーズンは、調子の波をなくすことにこだわってきた。エース前田健太を間近でみてきただけに「1年を通して活躍してこそローテーション投手」との思いは強い。

 そのための土台を冬に作り上げたのだった。苑田は言った。
「足を上げたときに、軸足が根を張ったように微動だにしません。腕の振りも、もともと柔らかいものがありますが、今年はフィニッシュの力強さがあります。ストレートにキレ、さらにインコースの使い方が上手になったように感じます」

【次ページ】シュートが投球に幅
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