黒田から殊勲の2打点、西浦「2軍で課題を与えられてきた。逆転CSへ」――東京ヤクルトが野手育成に長けた理由
3日東京ヤクルトが3-1で広島に競り勝った。殊勲打を放ったのは大卒3年目の西浦直亨だった。野手の育成がうまいヤクルトから、また一人逸材が出てきた。
2016/09/04
高校時代から注目の打者
逆転CSを狙う東京ヤクルトスワローズが3-1で広島東洋カープに競り勝った。
広島の先発が日米通算200勝を挙げている黒田、ヤクルトはデイビーズという中で始まった試合だったが、接戦を制したのは大卒3年のホープ西浦直亨のバットだった。
1回表、デイビーズがいきなり先制点を許すが、東京ヤクルトに3回裏得点のチャンスが訪れた。
先頭の坂口智隆が四球で出塁すると、続く荒木貴裕が左翼前安打で続く。3番・山田哲人が四球で歩き、無死満塁と好機を広げる。4番のバレンティンは三振に終わるも、5番の鵜久森淳志が三塁ゴロの併殺崩れで同点に追いついた。
そして、ここで打席に入ったのが西浦だった。
西浦はカウント1-1から黒田のシュートを右翼前にきれいにはじき返し、貴重な勝ち越し点を挙げた。
さらに西浦は5回裏にも、2死1、2塁で打席に立つと、今度は黒田のフォークを合わせて三遊間を突破。1点を追加し3-1とする。
2点のリードを、7回までデイビーズ、その後はルーキ、秋吉亮とつないで、接戦をものにした。
殊勲打の西浦といえば、ルーキーイヤーの2014の開幕戦。いきなり決勝3点本塁打を放ってド派手なデビューを飾った。しかし、その後は伸び悩んでいた。
天理高時代に、神宮、春・夏の甲子園に出場。高校3年夏の県大会で8割近くの打率を残したことから、プロ志望届を出していたなら、高卒でのプロ入り指名もあったと噂されたほどの逸材だった。
しかし、プロへは進まず法政大学へ進学。東京六大学で研鑽を積み、2013年のドラフト2位指名を受けて入団した。背番号は「3」。期待を受けての入団だった。
この活躍でレギュラーは安泰とは言えないが、野手の育成に長けているヤクルトで、すくすくと伸びてきた選手の一人といえるだろう。
西浦に直撃取材をしてみた。