首位打者ほぼ確定の角中、断トツの打率を残せる理由――「心」よりも「体と技」
今季パリーグの首位打者は、角中勝也がほぼ手中に収めたといっていい。成績を見れば、ダントツのトップ。今季好調の要因はどこにあったのだろうか。
2016/09/06
四球に対する考え
昨年から角中はバッターボックスでの意識を少しだけ変えている。
それも、メンタルとは別問題での意味だ。
というのも、もともと角中は四球が多いバッターだった。
2014年には四球数が三振数を上回るという味のある数字を残している。いかに投手との勝負で負けていないかを指し示す数字だといっていいだろう。
しかし、角中はその記録を認知しつつ、そこは変えなければいけない要素だと昨年のシーズン序盤にこう話をしている。
「その数字にこだわりはなく、逆に、悪い意味で四球を選びすぎたと思っています。打てる球を見逃していたり、打ち損じてファールになって、結果、四球を選んだ形が結構あったんですよ。その数字はいいことでもあり、同時に悪いことでもあると感じています。そこを変えていけば、もっと率が上がっていくと思う」
そして、その成果をこう振り返っている。
「結局、去年はケガをして1カ月空いてしまったので打率が3割に届かなかったんですけど、技術力も含めて、あのまま試合に出続けていたら、普通に3割は打てていたと思います」
今季は序盤からその意識を持ち続けている。
角中が四球よりも安打に意識を向けたのは、当然、自身のチーム内での立ち位置を認識してのことである。
「今季は3番を中心に、5番とかを打たせてもらっている。僕のタイプ的には、1番か2番ですけど、チーム事情的にそこを打っている以上は、四球だけではいけないかなと思っています。しっかり打てるようにと思って心がけています」
初球スイング率が低い水準にある角中だが「昔は最初から初球は見逃すつもりでしたけど、今は結果的に見逃しているだけで、打ちにいっての見逃しなので、全然中身が違う」と角中は力説している。