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愛のムチ?大量失点でもマウンドに立ち続けた投手6人。苦難に直面した選手たち

2025/06/29 NEW

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産経新聞社



藤浪晋太郎

fujinami sintaro
投打:右投右打
身長/体重:197cm/98kg
生年月日:1994年4月12日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2012年ドラフト1位
 
 阪神タイガース時代の藤浪晋太郎は、8回まで8失点を喫しながらも、投げ続けた試合がある。
 
 2016年7月8日の広島東洋カープ戦での出来事である。藤浪はここまで4勝4敗の成績でこの試合に臨んだが、初回から乱調気味だった。
 

 
 先頭打者の田中広輔に四球を与えると、2番・菊池涼介に二塁打。続く3番・丸佳浩(現:巨人)を三振に取るも、4番エクトル・ルナに四球を出して2死満塁といきなりのピンチを背負う。
 
 5番・松山竜平を三振に抑えて一息つくが、続く鈴木誠也(現:カブス)に2点タイムリーヒットを浴びて2失点。続く安部友裕を迎えた場面では重盗を決められ、3失点のスタートとなった。
 
 2回、3回にそれぞれ1点奪われ、3回までで計5失点。それでも、その後の4イニングは広島打線を無失点に抑えていた。
  
 7回までに131球を投じていた藤浪。そんな中、阪神が2-5とリードされて迎えた7回裏の攻撃時である。2死で藤浪に打席が回ってきたが、代打を告げられることなく、そのまま打席に立ったのだ。そして、次の8回もマウンドに上がった。
 
 131球を投げ疲労の色が見えていた藤浪は、2つの四死球が絡み、さらに3失点を喫して計8失点。
 
 9回には石崎剛のリリーフを仰いだが、8回までに161球もの球数を費やし、被安打7、13奪三振、四死球6、8失点でマウンドを降りた。161球もの球数で8回を投げさせた当時の金本知憲監督の決断には、賛否の声が上がった。
 
 その後の藤浪は、2023年にオークランド・アスレチックスに移籍。同年の途中にはボルチモア・オリオールズに移籍し、リリーフとして腕を振った。
 
 昨季はニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、今季からはシアトル・マリナーズとマイナー契約を締結。しかし、6月途中でまさかの退団となった。
 
 NPB復帰するのか、アメリカでのプレーを続けるのか。今後の動向が注目される。

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