愛のムチ?大量失点でもマウンドに立ち続けた投手6人。苦難に直面した選手たち
2025/06/29 NEW
産経新聞社
近藤廉
投打:左投左打
身長/体重:180cm/93kg
生年月日:1998年9月22日
経歴:豊南高 – 札幌学院大
ドラフト:2020年育成選手ドラフト1位
中日ドラゴンズの近藤廉は、プロ3年目の2023年8月25日の横浜DeNAベイスターズ戦で、大量失点投球を経験している。
この試合、6点ビハインドの場面で登板した近藤。DeNAの3番・佐野恵太、4番・牧秀悟にセンター前ヒットを打たれて無死二塁とされると、5番ネフタリ・ソト(現:ロッテ)にライト線へのタイムリーツーベースを打たれてしまう。
続く大和を二ゴロ、伊藤光を空振り三振に斬って取るも、ここからが近藤にとって地獄のはじまりだった。
続く柴田竜拓に四球を与えると、代打の山本祐大にレフト前タイムリーヒット、大田泰示にタイムリーツーベースを打たれ、さらに2四球を献上。
代走で入った林琢真にタイムリーツーベース、同じく代走の西浦直亨にセンター前タイムリーヒット、京田陽太に四球。伊藤にセンター前タイムリー、柴田には死球を与えてしまう。
次の山本を遊ゴロに抑えて、やっとのことで近藤の登板は終わるのだが、62球もの球数を費やし、5四死球を含む被安打8の10失点。
打たれても打たれても、投手交代を告げられることなく、スコアボードに表示された「10」の数字にファンからは悲鳴の声が上がった。
翌26日には出場選手登録を抹消され、同年オフには育成再契約を前提とした戦力外通告を受ける。しかし、この経験をバネに昨季は二軍で46試合に登板して防御率2.09の成績をマーク。そして、今季4月には支配下復帰を果たした。
5月1日の阪神戦では、1点リードの6回に登板し、1回を無失点に抑えてプロ初ホールドをマークしている。この近藤のドラマに、ドラゴンズファンから感動の声が上がった。