【パ・クライマックスシリーズ(CS)1st】ソフトバンク、今宮の殊勲打で先勝。ロッテ伊東監督「見せ場作れた、明日へ切り替え」
パリーグのクライマックスシリーズが開幕。2番手投手の出来が勝敗を分けた。3試合制で行われるこのステージは2勝を挙げたチームが次のステージへ進む。
2016/10/08
2番手投手に明暗
今季、千葉ロッテ戦で7戦4勝0敗の福岡ソフトバンク・千賀と、過去のCSで9戦3勝0敗の千葉ロッテ・涌井の先発で始まったファーストステージの第1戦。
どちらの勝ち運がチームに勝利を引き寄せるのか注目されたが、先制点はプレイボールまもない1回表、ロッテ・清田育宏の先頭打者本塁打だった。
「真っ直ぐもフォークも手がつけられないピッチャーだけど1試合の中で必ず付け入る隙はあると思う」と、福岡へ乗り込む前に話していた清田だったが、カウント1-0からのスライダーを左翼ホームランテラス席に運び、いきなり結果で応えた。
さらにロッテは2死後、4番デスパイネがカウント2-1から千賀のストレートを右翼席へ運んで追加点。天敵・千賀の出鼻を挫いた。
しかし、その裏、ソフトバンクはすぐさま反撃に転じる。
今季、ロッテ戦で打率.326と相性が良い1番の中村晃が中前へ飛ばし出塁すると、2番本多の犠打で1死2塁とチャンスを広げる。
この日が実戦復帰となった柳田は涌井の直球に空振り三振に倒れたが、続く4番内川があわや同点弾かという右翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち1点を返した。
さらに3回裏、再び内川があっさり2死を奪った涌井の2球目を捉えて左翼席へ運ぶ同点弾。
「初回に2点を先に行かれたのでなんとか早いうちに1点でも返そうという気持ちだった」(内川)
この1発は、まるで昨年のクライマックスシリーズファイナルの同カードを思い起こさせるロッテ側にはなんとも嫌な、ソフトバンク側からすればなんとも心強い一発となった。
その後、中盤は千賀と涌井の両先発が立ち直りお互いに0行進。5回、6回、7回は両投手ともに三者凡退に切り抜ける投球で試合は落ち着いたかに思われた。
先に動いたのはソフトバンク側だった。
8回表、ここまで111球4安打12奪三振の千賀に代わって2番手にスアレスを投入。そのスアレスがわずか7球でロッテ打線を3人で切り抜ける。
すると、今度はロッテ側も5回、6回、7回と球数を減らして勢いに乗ってきた涌井をベンチに下げて2番手に内を投入。しかし結果的にここが勝負の分かれ目となった。
ここまでの全得点に絡んでノリに乗っていた先頭打者の内川にこの日3本目のヒットを中前へ運ばれると、続く長谷川はバントの構えも内の制球が定まらず、長谷川、松田と連続四球で無死満塁のピンチ。7番福田は初球を打ち上げて捕邪飛で打ち取るも、8番の今宮に左前へ運ばれて2点を献上。これが決勝点となった。
9回表にロッテも4番デスパイネがこの日2本目の本塁打を右翼席へ運んで反撃。2死後に7番ナバーロがショートの頭を越える中前打と代走加藤翔平の二盗で得点圏までチャンスを進めるも、8番田村の打球は鋭い打球でセンターへ。前進守備だった柳田のグラブに収まった。4-3でソフトバンクが先勝。ファイナルステージ進出へ王手をかけた。