2015年に達成する選手も。12球団徹底調査、大打者の勲章・2000本安打「当確」は誰だ？【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』（イーストプレス刊）の著者でもある広尾晃氏。当ＷＥＢサイトでは、ＭＬＢとＮＰＢの記録をテーマに、週２回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は2000本安打達成の可能性が高い選手を調べてみた。

2014/12/19

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2000本安打は、「大打者」の勲章

　プロ野球のような「積み上げ型」のスポーツの楽しみの一つに「マイルストーン」がある。「里程標」と訳される。端的に言うなれば、「山頂まであと何キロ」みたいなものだ。

　野球記録では、節目の数字までのカウントダウンで使用されるケースが多い。
　1000本安打、100本塁打、100勝、1000試合出場など、目標となる数字はたくさんあるが、打者で最高の目標は「2000本安打」だろう。
「プロ野球名球会」に入会して栄えあるブレザーの袖に腕を通すことができる。

　最近は「2000本安打」は大選手の勲章として、広く知られるようになった。すべての野手にとって、究極の目標になっている。

　今回は、今後2000本安打に到達しそうな選手を予想してみようと思う。2000本安打は毎年100本ずつ安打を打っても、20年かかる大記録だ。達成するための条件は、

１．長くレギュラーでいること
２．打率が高いこと

　の2つだ。若くして多くの安打を打っている選手、通算打率が高い選手は有望だ。2000本安打に迫っている選手でも、高齢で出場機会が減りそうな選手や、最近の打率が低い選手は達成が難しい。

　そういう観点で、2000本安打達成の可能性がある選手をピックアップ。こないだ終わった衆議院選挙になぞってみよう。

　当は、すでに2000本安打に到達した選手。バラの花も付けた。
　確は、達成が確実視される選手。私の判断で打った。
　有は、50％くらいの可能性がある有望選手。
　無印は可能性はあるが厳しいと思われる選手。年齢は12月19日時点だ。
　選手の所属は、オフの動きを反映している。

　まず、パリーグからだ。

　ソフトバンクは、現役唯一の三冠王松中信彦があと234安打まで迫っているが、昨今の出場機会の少なさを勘案すれば達成は厳しい。むしろ働き盛りの内川に「確」を打った。本多以下の4人は今後に期待で、特に柳田は大化けする可能性を秘めている。

　オリックスは、今オフの大量補強で、選手がだぶついている。谷は残り77安打で達成するも、出場機会がどこまであるのか。新加入の中島は、以前の通りの打撃ができれば十分に達成可能だろう。糸井も先日の契約更改時に話したようにMLBを封印すれば、国内2000本安打はまだ可能性がある。

　日本ハムは、稲葉篤紀と金子誠が引退して、一気に若返った。帰参組の田中賢介はやや難しそう。むしろ5ツールプレイヤーに変身しつつある陽岱鋼が達成しそうだ。しかし彼もMLBに行く可能性があろう。中田翔、西川は若さに期待。大谷は二刀流を貫く限り難しいだろう。

　ロッテはベテランがたくさんいる。福浦は残り135本だが年齢と出場機会からしても困難だろうか。井口は日米通算では2129安打で、すでに名球会の一員。さらにNPB単独での達成も有望だ。昨年から一塁にコンバートされ守備の負担が減ったのも大きい。打率の高い今江、売出し中の鈴木も有望。

　西武は、栗山巧が有望。本塁打王中村剛也は、今年も100安打を切った。故障がちであり大台は難しいのではないか。浅村、秋山の若手は有望。

　楽天は、来季40歳になる松井稼頭央に当確を打った。来季から外野にコンバートされるのもプラス要因と考える。捕手の嶋はフル出場が難しいので厳しい。あとは銀次か。

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