マエケンの穴を外国人と若手で埋めた投手陣。カープVの要因【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回と2回続けて、他5球団と比較してカープVの要因を探る。
2016/09/18
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広島は投打ともに活躍を見せ戦力アップ
続いて読売ジャイアンツと優勝した広島東洋カープだ。
リーグNo.1の投手陣だった巨人は、今年やや弱体化したものの依然高いレベルといえる。今や球界を代表する先発投手の一人、菅野智之はさらに数字を伸ばし、田口麗斗もそれに続いた。しかし、昨年菅野と並ぶ二本柱だったマイルズ・マイコラスが故障で長期離脱。菅野・田口のあとに続く先発が揃わなかった。救援陣も澤村拓一、山口鉄也が本来の力を発揮できていない。
広島は昨年の時点で巨人に次ぐ投手陣だった。前田健太のMLB移籍の影響が懸念されたが昨年も安定感ある投球を見せたクリス・ジョンソン、黒田博樹の2枚に野村祐輔が一気に才能を開花、投手陣の柱へと成長した。
救援陣はジェイ・ジャクソン、ブレイディン・ヘーゲンズ(シーズン途中から先発も任された)の加入が大きい。中﨑翔太がさらに成長し、今村猛、一岡竜司ら頭数が増えたのが大きかった。
前回の打撃と今回の投手の数値のチーム成績を総合してみよう。RCは攻撃面の総合数値。
広島は昨年の時点で投打ともに2位につけていた。クライマックスシリーズに進めなかったほうが不思議なくらい戦力が充実していた。今季は、前田健太が抜けたものの、主力選手以外にも、若手や外国人が活躍を見せて戦力アップしたことで、投打ともに1位、断トツの戦力となった。
巨人は投手力の数値は優秀だったが、投打で広島に及ばなかった。
DeNAは投手力の数値が大幅に改善されたことで、クライマックスリーズ進出が有力になっている。
ヤクルトはもともと弱点だった投手陣が崩壊、PRが唯一大幅なマイナスになった。打線は2位だが、投手陣が足を引っ張ったといえよう。
阪神も先発陣の改善はできたが、貧打が改善されなかった。中日は投打ともに他球団に数値で及ばなかった。