最大貯金はたったの「2」。あの戦力でよくぞ最下位を免れた!【ファンがつける、千葉ロッテマリーンズ2014通信簿】
いよいよ2014年も残すところあと数日。各球団のファンを代表して、担当ライターに今シーズンの通信簿をつけてもらう好評企画。第6回は、パリーグ4位・千葉ロッテマリーンズだ。
2014/12/22
勝ち負けも大事だが、遊び心も欲しかった!
【ベンチワーク3点】
一方、伊東勤監督を筆頭としたベンチワークはと言うと、投・打ともこれほどまでに頼りない陣容のなかでは、よくぞ最下位を免れた。というのが、正直なところだろう。
彼の采配については、目指す野球の好みもあるし、いろいろ言いたいことのある読者も多いだろうが、黄金期の西武で自身が体現してきた「守り勝つ野球」の浸透に心血を注ぐという姿勢は首尾一貫しているだけに、「ブレない」という点においては率直に評価したい。今季のドラフトが監督の意向を多分に汲んだ人選だったとすれば、彼の目に映るビジョンとファンの想いとの乖離も、そこまでは起きていないと見ていいだろう。
欲を言えば、日本ハム・栗山英樹監督が中田翔をひたすら使い続けてモノにしたように、若手をもう少し辛抱して使う、ということにも力点を置いてほしいところ。今季にしたって、クライマックスシリーズ(CS)出場の可能性が消えた時点で、アジャこと井上晴哉をスタメンに抜擢すれば、たとえ打てなくてもファンは喜んだだろうし、なぜか交流戦期間中だけ大爆発していた金澤岳に、もっとチャンスをあげても決して罰は当たらない。プロである以上、勝ち負けにこだわるのは当然だが、野球=娯楽として考えれば、もっと他にもできることはあったと思うのだ。
とにもかくにも、時折見せる〝謎采配〟や、「誰が喜ぶんだよ」と思わざるを得ない〝唐川続投〟のような懲罰采配は、百歩譲って大目にみる(上から目線で恐縮だが)ので、来季の伊東監督には、たとえ負けても「楽しかった」と思える野球を期待したい。そうなれば、今季の戦いぶりを多くのファンが「つまらない」と感じた最大の要因である、救いのない負け方もきっと少なくなるに違いない。
当初の期待値が低かったので、まだ傷は浅い!
【総合2点】
ナンダカンダと書いてはみたものの、デスパイネの獲得までは、涌井以外にさしたる補強もないままシーズンを迎えたことを思えば、最下位にならなかったのが不思議なほど。5位の西武には、岸孝之という絶対的なエースと、中村剛也&メヒアという両主砲が、6位の楽天にも、最後までタイトル争いを繰り広げた則本昂大や銀次らがいたなかでの4位は、ある意味、儲けもんでさえある。
3位・日本ハムの貯金が「5」、4位・ロッテの借金が「10」であることを考えれば、対日本ハム戦での10連敗がなんとも致命的だったが、前半戦だけでも、「CS行けるかも」という期待を持たせてくれたのだから、まぁ、よしとしたい(もちろん、したくはないけど)。
ストーブリーグの情勢からすると、来季はソフトバンク・オリックスの〝2強〟との戦力差がますます開きそうな雲行きだが、そんな相手にシレッと勝ってしまうのが、マリーンズ野球の真骨頂。劇的に強くなる要素が他チームに比べても格段に少ない以上、せめて通信簿に「3」以上の点数をつけられる「観に行ってよかった」と思わせる野球を繰り広げてくれることを、切に願わずにはいられない。