「最後の試合は必ず勝ちます」。引退表明のDeNA三浦大輔が恩師と交わした約束
今季限りで現役を引退する三浦大輔。現役最後の登板で、24年連続勝利を目指す。
2016/09/21
恩師に誓った約束
結局、高校時代は甲子園に出場することはできなかった。
ただ、3年夏に決勝戦に進んみながらあと一歩のところで敗れたことが彼にとっては意義のあることだったという。
「あの時、甲子園に出ていれば、大輔の人生も変わったというのをよく言われますけど、今、思えば、あれがあったからこそ、頑張れた部分はあったんじゃないかと思います。あの敗戦があったから高校時代が思い出にならなかった。正直、プロに入った時は、3、4年で帰ってくるだろうなと思っていたんです、それが1年目の秋に『1軍に上がりました』という嘘のような電話があり(笑)、2年目に初勝利を挙げて、あれよあれよといううちにリーグを代表する投手へとなっていきました」
引退表明の電話を三浦から受け取った山下は、そんなに長くは話さなかったという。
「あまり話していると泣いちゃいそう」だからで、電話の最後に三浦から最後の誓いの言葉を受け取った。
「あと1試合投げるんで、絶対に勝ちますから見といてください! 新記録を達成しますと言っていました。ピッチャーが打者として達成したギネスの記録はありましたよね、その記録ではなく、(24年連続勝利という)投手としての記録を何が何でも達成してほしいですね」
そういって有言実行の男の最後の言葉を聞いて山下は鼻をすすった。
こみあげてくるものがあったに違いない。
24日の最終登板、山下はその目で確かめるつもりでいる。