ベテランか、若鷹か? 細川抜け、一層激しさを増すホークス来季の正捕手争い
来季、福岡ソフトバンクホークスの正捕手争いに注目だ。ベテランの細川亨が抜け、若鷹にもこれまで以上に1軍の出場機会を得られる可能性がある。
2016/12/05
1、2年目の若鷹も虎視眈々と正捕手を狙う
この秋季キャンプで、練習量も多く、新しく学ぶこともあり、既に成果を実感している2年目の栗原陵矢。12分間走では捕手ダントツトップの3300mで体力もアピール。「先輩たちと一緒にやっているが、負けられない。何をするにも自分が少しでも多くやるようにしています。自分が一番下なので。空いた一枠を死ぬ気で奪いに行くしかない」
今年のドラフトで、ホークスは高校生ナンバー1捕手と評される九鬼隆平を指名し、入団が決まった。九鬼は秀岳館高校を甲子園春夏共にベスト4へと導き、更には高校日本代表で正捕手兼4番を務め、アジア選手権優勝に貢献した。
注目の新人が入ってくるが、2014年U18アジア選手権で、高校日本代表の正捕手兼主将を務めた先輩、栗原も負ける気はない。「プロで2年も先輩になるんだからそこを意識しちゃだめ」来季に期待がかかる栗原は、現在、台湾で行われているアジアウィンターベースボールリーグへ派遣されている。大きな経験を積み、更なるアピールを。
育成2年目の堀内汰門は、清水コーチにも「昨秋からいろんな面で変わったな」と評されるなど、大きく成長を遂げた1年となった。何より、このオフ、5年連続開幕投手を務めたベテランの攝津正から自主トレの誘いを受けた。「緊張はしますけど、一軍のピッチャーの球を受けられるのでたくさん学んできたいと思います」ファンフェスティバルでヤフオクドームの大観声に感銘を受けた堀内は、「ここでプレーしたいと改めて思った」と一軍の舞台に立つことへの想いを噛みしめた。「育成だけど、ずっと頑張っていれば誰か見てくれる人はいるから。やるしかない」まず、支配下を勝ち取るところからにはなるが、「いつでも試合を意識して、いつでもいけるように準備します」とこのチャンスを絶対に無駄にはしない。
ルーキーの谷川原健太は初の秋季キャンプで多くのことを学んだ。キャンプでは、達川コーチにキャッチングの大切さを説かれ、キャンプから筑後に戻ってきて練習量も増えたという。「みんなを抜かすつもりで、チャンスをつかみます」1年目を終えて課題もしっかり見えてきた。
同じくルーキーで育成の樋越優一は、登録は捕手のままだが、出場機会を増やすため、キャンプから内野練習を始めた。「ずっとキャッチャーでやってきたから、本当はキャッチャーをやりたい。でも、プロで長く生きていきたいし、自分は来年育成2年目。少しでも試合に出てアピールしないと」大卒育成ということもあり、冷静に自身と向き合った。ポジションが変わろうと、ムードメーカー的元気印で、アピールを続ける。
それぞれの想いが交錯し、正捕手争いは激しさを増す。若手の台頭次第では、ベテラン髙谷、鶴岡のポジションの保証もない。今オフ、それぞれがどう成長してくるのか。来春のキャンプを楽しみに待つ。