ファイターズ4年ぶり7度目のV。大谷が完封、最大11.5ゲーム差からの逆転劇
9月28日、日本ハムが2012年以来4年ぶり7度目(前身の東映時代を含む)のパリーグ優勝を果たした。
2016/09/28
大谷が1安打完封
28日、西武プリンスドームで埼玉西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズ戦が行われ、優勝マジック「1」とし、優勝に王手をかけていた日本ハムが、西武に1-0で競り勝ち、2012年以来4年ぶり7度目(前身の東映時代を含む)のパシフィックリーグ優勝を果たした。
試合は、日本ハム・大谷翔平、西武・菊池雄星が先発。序盤3回を0-0で推移、投手戦の様相を呈した。
試合の均衡を破ったのは、今シーズン貴重な場面での活躍が多かったレアードだった。
4回表、1死で打席に立ったレアードは菊池のスライダーを振りぬくと左翼スタンドに運んだ。菊池-森友哉バッテリーが変化球を多投してきたところをうまく拾っての一発だった。
この貴重な1点をエースの大谷が守り抜いた。
大谷は4回まで完璧に抑える抜群の立ち上がり。ストレートを多投しようとはせず、スライダーを巧みに使って、150キロ後半のストレートとフォークを挟む配球を見せた。その投球は、西武打線が頭から「大谷=ストレート」と印象付けているのを見透かしているかのようだった。
結局、大谷は、9回1安打無失点で15奪三振、完封勝利。大記録達成とはならなかったものの、最後の打者をスライダーで斬り、歓喜の輪の中心に立った。
増井の先発転向が転機
日本ハムのパリーグ制覇は今回で7回目。2012年、栗山英樹監督就任1年目の優勝以来、4年ぶりとなる。
日本ハムは3・4月を13勝15敗と負け越したが、交流戦終盤から安定した戦いぶりを見せると、7月には17勝4敗、8月は14勝12敗、9月は13勝5敗と夏場に貯金を量産。一時期ソフトバンクに11.5ゲーム差をつけられていたが、一気に追いつき、終盤に熾烈な優勝争いを制した。
主に1番、2番を務めることが多かった西川遥輝の調子が上がってくるのと同時にチーム、打線が回るようになった。陽、田中賢介、中田翔らでクリーンアップを形成し、下位に大砲のレアードという布陣が功を奏し、さらには、今季、打者として多くの出場機会を得た大谷が大事な場面で打った。
投手陣は先発では大谷の故障離脱、左腕の吉川光夫の不調がありながらも、2年目の有原航平に加えて高梨が台頭。さらには、クローザーを務めながら不調で先発に転向した増井浩俊がローテーションの一役を担ったのも大きな転機だった。
ブルペン陣は新守護神にマーティンを据え、谷元圭介、宮西尚生が獅子奮迅の活躍。終盤戦はマーティンが離脱したものの、吉川が救援に回るなど投手陣で助け合った。
序盤は怪我人や主力選手の不調などに悩まされながらも、適材適所に選手を起用した栗山采配は見逃せないだろう。
ソフトバンクに11.5ゲーム差をつけられながらも、見事な大逆転劇だった。
ファイターズは日本シリーズ出場をかけて、10月12日より本拠地の札幌ドームで開幕するクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージに出場し、8日から行われるファーストステージ(パ2位対セ3位)の勝者と対決する。