ペナントレースの価値観が問われるCS制度。落合私案は「たすき掛けの日本一決定戦」【横尾弘一の野球のミカタ】
いよいよ両リーグの優勝が決まり、日本のプロ野球もポスト・シーズンへ突入する。しかし、2007年から両リーグが導入しているクライマックスシリーズ(CS)の制度には様々な意見が挙がる。
2016/09/29
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半分の球団がポスト・シーズンへ進める現行制度でいいのか?
制度として歴史を重ねながら、存在意義を常に問われるCSについて、落合はひとりの野球人という立場でこんな私論を話してくれた。
「勝負の世界において、負け越したチームが日本一になる可能性だけはあっちゃいけない。やはり、セパ6球団という規模のリーグで、3球団がCSに進むのはいかがなものか。プロ野球が2リーグ制になってから、2位が勝率5割未満だったことは一度もないけれど、3位が勝率5割未満だったことはセで11回、パで7回もある。やはり、ポスト・シーズンは2位までの球団で行うべきでしょう」
その上で、落合が提案するのは、たすき掛けの日本一決定戦だ。
「CSでは、セの1位とパの2位、パの1位とセの2位が対戦する。1位のアドバンテージはなく、現行の日本シリーズと同じ7回戦制で、1位の本拠地から開始すればいい。そして、その勝者同士で日本シリーズを戦う。こうすれば、セ同士、パ同士の日本シリーズになる可能性もあるわけで、ファンにも新たな面白さを提供できるんじゃないかな」
レギュラー・シーズンからポスト・シーズンという流れは、世界の野球のスタンダードになっている。レギュラー・シーズンの悔しさをぶつけ、ポスト・シーズンに下剋上していくという大逆転ストーリーもファンを熱狂させるが、あくまで長いペナントレースを戦い抜くという価値観が尊重されなければならない。その上で、ポスト・シーズンをどう魅力あるものに進化させていくか。今季の戦いも追いかけながら考えてみたい。
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