独自ポイント集計で見るセリーグのMVPは、広島・ジョンソン【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、記録から2016年のセリーグMVPを占う。
2016/10/05
ジョンソンの安定感
次に先発投手だ。
100イニング以上の投手を対象とした。
勝利、勝率、投球回、奪三振、防御率の上位10人にポイントを与えた。さらに優勝ポイント。
最多勝、最優秀勝率は野村祐輔が獲得したが、総合的な指標では同僚のジョンソンのほうが上だ。投球回も奪三振も、防御率も野村を大きく上回っている。数字上で貢献度を比較するならば、ジョンソンのほうが上だと言えよう。
巨人の菅野も、ジョンソンに匹敵する成績を上げている。
ジャクソンの貢献度
救援投手はどうだろうか。
登板数40試合以上の救援投手。
登板数、セーブ、ホールド、奪三振、防御率の上位10人にポイントを与えた。さらに優勝ポイント。
実質的に最も貢献度が高い救援投手はマシソンだ。しかし優勝ポイントを加えれば、ジャクソンが1位となる。3位には広島の今村、クローザーの中﨑は5位。広島の勝利の方程式は盤石だった。一方、昨年覇者のヤクルトは勝利の方程式が崩れたが、秋吉、ルーキが奮闘していた。
3つのジャンルを総合してポイントランキングを作る。
総合的には先発投手のジョンソンが1位となる。2位も広島のジャクソン、先発、救援の外国人選手の力が大きかった。
実際のMVPは、記者の投票によって選出される。
当然、リーダーシップやチームへの影響力、過去の功績なども加味されるだろうが、記録だけでみると、2016年度セリーグのMVPは広島東洋カープのクリス・ジョンソンということになった。