柳田の穴が最後まで響いたホークス。投手・大谷の穴を埋めた増井と、野手・大谷のファイターズ【小宮山悟の眼】
今年のパリーグのレギュラーシーズンは、北海道日本ハムファイターズが4年ぶり7度目の優勝を飾った。一体、日本ハムの強さはどこにあったのか。
2016/10/06
怪我の功名?打者・大谷に脅威を感じた他球団
今年のパリーグのレギュラーシーズンは、北海道日本ハムファイターズが、福岡ソフトバンクホークスとの争いを制し、見事に頂点に輝いた。
交流戦後に始まった、15連勝を含む日本ハムの奇跡的な追い上げ。
日本ハムの勝因も、ソフトバンクの敗因も、この一点に尽きるだろう。
私は開幕前の予想で、ソフトバンクを1位、日本ハムを2位と予想した。8月末に日本ハムが追いつき、両チームのマッチレースの展開になった際にも、ソフトバンクが有利だと思っていた。
それは、ケガで戦列を離れたソフトバンクの柳田悠岐がすぐに復帰できると思ったから。そして、日本ハムには必ず快進撃の反動が来ると考えたからだ。
しかし、ご存知のように、柳田はシーズンの最後まで一軍の試合に復帰することはなかったし、日本ハムに大連勝の反動の波も訪れなかった。ここは日本ハムの強さを素直に称えたい。
シーズントータルでチームをけん引し続けたのは、いうまでもなく二刀流の大谷翔平だ。取材現場でパリーグの他の5球団の首脳陣と言葉を交わすと、必ず「(大谷は)すごすぎる」という話題になった。
私が話をしたコーチや監督の間に限っては、投手よりも打者として評価する声が多かった。あるコーチは、「投手・大谷に3連戦のうちの1試合を完全に抑えられるより、有原航平、増井浩俊、高梨裕稔らが先発して、3戦すべてに野手・大谷が出場するほうが戦いにくい」と言っていた。