FA渦中の岸が今季最終登板で見せた炭谷との絶妙コンビ。“最高の1球”は“最後の1球”となってしまうのか【中島大輔ONE~この1球をクローズアップ~】
9月27日の対北海道日本ハム戦。エースの岸が今季最終登板となった試合で見せたのはしびれる投球だった。試合を決めた1球をクローズアップする。
2016/10/03
岸―炭谷バッテリーを来季もみたい
直後、インタビュアーに再びマイクを向けられたものの、岸は回答を拒んだ。そして浮かべたのが、苦笑いだった。
ただ、これは去就についての答えではなく、大観衆の前で言葉を発するのが照れ臭かったのだろう。
試合後、マイクのスイッチが切られたところで岸からどんな回答をもらったかと聞かれた炭谷は、「それは……」と一呼吸置いた後、こう言った。
「いろいろ話はしています」
31歳の岸にとって、この先の野球人生を大きく左右する決断になる。10年間をすごしてきた西武に愛着があるはずだが、新天地で新たな挑戦をしたい気持ちも理解できる。簡単に出せる答えではない。
それでも、女房役の言葉は響くはずだ。果たして、どういう決断を下すか。
あくまで外部から野球に関わる者の要望としていわせてもらえば、彼らバッテリーにしかできない「最高の1球」を目の当たりにし、来季以降も続きを見たくなった。