【クライマックス1st展望】セ注目は対巨人戦15本塁打のロペスと筒香。パ注目は西武黄金時代バッテリーの采配
8日から、セパともにクライマックスシリーズファーストステージが開幕する。
2016/10/07
<セリーグ>
2位・巨人(10勝1分)―3位・DeNA(14勝1分) 東京ドーム
07年のクライマックスシリーズ創設以来、毎年進出している巨人と初進出のDeNAの対決。今季の対戦成績は14勝10敗1分とDeNAに分がある。この成績がどう働くか。両チームの戦力を比較すると、投手力は先発陣はDeNAがやや上、救援陣は巨人といえるだろう。打線は互角か。
巨人の初戦の先発だが、エースの菅野智之が登板回避の方向との情報だ。全力で投げられないエースか、根性論のみのエース起用かを考えれば、無理するべきではない。そこで先発に予想されるのがマイコラス。終盤戦、ややメンタル的に安定しなかったことが心配されるが、投げているボールは悪くない。しっかり調整してくるはずだ。2、3戦目は田口麗斗、内海哲也の両左腕が控え、若手の勢いとベテランの経験でエースの穴を埋められるか。当然菅野が復帰できれば、3戦目にもつれた場合は託したいだろう。
打線は、それほど心配はない。リーグ首位打者の坂本勇人をはじめ、2年ぶりに規定打席に到達して3割をマークした村田修一、村田とともに全試合出場の長野久義も高打率を残している。ここに主砲の阿部慎之助と日本の野球にアジャストしてきたギャレット・ジョーンズと左右のバランスもばっちりだ。エースの離脱、CS前のルイス・クルーズの抹消など不安要素がいくつかあるが、ここ一番の勝負強さで乗り切りたい。
CS初舞台となるDeNA、短期決戦なだけに“はっちゃける”くらいの気持ちで臨みたい。初戦の先発は開幕投手を務めた井納翔一と予想する。今季の成績は7勝11敗と大きく負け越したが、井納が投げる試合は、打線の援護がある。特に巨人戦では援護率が5点台と高めだ。彼の投球リズムが関係しているのだろうが、打線を乗せる意味でも、井納の役割は大きい。2、3戦目は今季ブレイクした石田健大、ルーキーの今永昇太の両左腕に託されそうだ。相手を考えると左腕対決となりそうで、その組み合わせも楽しみだ。石田は巨人戦2勝0敗と相性もいい。
打線は、対巨人戦打率が3割を超す選手ばかりがそろう。ホセ・ロペス、筒香嘉智、宮崎敏郎は特に当たっており、ロペス・筒香だけで15本塁打と打ちまくっている。倉本寿彦、梶谷隆幸も巨人戦に強い。それだけに、1番・桑原将志の初戦の最初の打席に注目をしたい。彼がどのような空気を作るか。ややもすると、CS全体の流れに影響を与えるかもしれない。
年齢層はかなり異なるが、打線の構成は両チームとも似ているのかもしれない。
今季終盤、巨人は2番に亀井善行を置き、DeNAはラミレス監督が理想としてきた梶谷を起用していた。2番の起用も勝負を分けるポイントの一つになるだろう。経験値は巨人にあるが、DeNAの勢いも決して侮れるものではない。