【クライマックス1st展望】セ注目は対巨人戦15本塁打のロペスと筒香。パ注目は西武黄金時代バッテリーの采配
8日から、セパともにクライマックスシリーズファーストステージが開幕する。
2016/10/07
<パリーグ>
2位・ソフトバンク(16勝1分)ー3位・千葉ロッテ(8勝1分) ヤフオクドーム
まさかの逆転優勝を許した2位・ソフトバンクと、安定の3位でCSを迎えるロッテとの対戦。戦いにくさはおそらく、ソフトバンクにあるかもしれない。打線の大黒柱である柳田悠岐が復帰予定とのことだが、シーズン終盤からの悪い流れをどう打開していくか。この対決は、工藤公康、伊東勤の指揮官の采配に注目したい。かつては、「常勝・西武」でバッテリーを組んだ両監督の手腕が注目ポイントだ。
ソフトバンクは初戦の先発に千賀滉大を送り出す。勝ち頭の和田毅が離脱して白羽の矢が立った。若き右腕に初戦を任せるのは信頼の証だ。これからのソフトバンク、日本を背負っていく千賀がここでどのようなピッチングを見せるか、注目だ。対ロッテ戦は、今季7戦に登板して4勝0敗の負けなしと相性は抜群だが、相手主砲のアルフレド・デスパイネの一発だけには注意したい。2戦目はリック・バンデンハーク、3戦目にもつれれば、中田賢一か。バンデンハークは、戦線離脱してからのピッチングはまだ復調とは言えなかった。ただ復帰後の登板が下位チームに限られていたところを見ると、ロッテ戦を見越していたのかもしれない。憎い戦略だ。ちなみにロッテ戦は、今季2勝0敗、防御率1.20と好成績を残している。
打線は先述したように柳田の復帰が与える影響は大きい。柳田の離脱以降、3番探しに迷走したからだ。終盤は中村晃を据えて落ち着いたが、一方、1番打者が不在になった側面もある。たとえ、柳田の調子が良くなかったとしても、彼が入ることで1番から打線を固めることができる。さらには一発のある打者がいる怖さも秘めている。今宮健太のひじの状態は危惧されるものの内川聖一、松田宣浩、本多雄一の経験者がそろい、選手層は分厚い。ファイナルステージで日本ハムにリベンジするためにも、すっきりと勝ちぬきたい。
ロッテは、2位・ソフトバンクに10ゲーム以上も離されたが、この短期で何とかやり返したい。ヤフオクドームでは4勝6敗と負け越しているが、ここをどう打開するか。初戦の先発はエースの涌井秀章を立てる。ソフトバンク戦は2勝2敗の五分と互角に渡り合っている。終盤戦、ややパフォーマンスに疲れを見せたが、CSのために力を蓄えていたとみる。ここ1番の衝撃的なピッチングを期待したい。2戦目はこちらも休養十分の石川歩が上がる。ペナントレース終盤、タイトル争いを放棄して、CSに備えてきた“男気”を結果で示したい。今季のソフトバンク戦は1勝3敗も、唯一の1勝は完封勝利と手ごたえはある。QSよりもっと高い目標を立てて臨んでくるはずだ。
打線は、けが人の影響がやや出たが、終盤戦に1番・清田育宏、2番・岡田幸文にめどが立った。特に、岡田がどのようなパフォーマンスを見せるか、キーマンになるだろう。首位打者と最多安打の2冠の角中勝也へうまくつないで、デスパイネと井口資仁の勝負強さに懸けたい。今季好調の鈴木大地、ナバーロも復帰、ベテラン・福浦和也も控えている。総力戦でソフトバンクを上回りたいところだ。
ロッテはシーズン終盤の多くが消化試合に近かった。上位から離され、下位を圧倒していたからだが、その分、CSに向けて戦力をうまく整えてくることができているはずである。シーズン途中、故障で離脱していたリリーフ陣が戻ってきたのもプラス材料。伊東監督がどう仕掛けてくるか。