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CSファイナル赤松のワンプレーが象徴する、『スキのない』カープの強さ

25年ぶり日本シリーズ進出を決めた広島。今年の強さは投打ともにスキのない野球ができているからだ。

2016/10/17

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相手を1塁にくぎ付け

 実戦から離れたブランクが心配された。短期決戦独特の緊張感も懸念された。しかし、全てを払拭するようなCSファイナルステージの戦いぶりであった。クリス・ジョンソンが初戦からベイスターズの中軸を完璧に抑え込んだ。絶好調のホセ・ロペスには第一打席からカットボールで内角を厳しく攻め、持ち味を発揮させなかった。二冠王の筒香嘉智にはカーブも効果的に交え、4打席ノーヒットに封じた。

 この完封勝利が、カープの勢いを生んだことは間違いあるまい。テレビ中継の視聴率は45%を大きく超えた。ただ、瞬間最高視聴率をマークした時間帯のプレーに注目したい。5対0とカープのリードで迎えた9回表1死ランナーなしの場面である。2番梶谷隆幸の打球はライナーでレフト戦へ飛ぶ。完全な長打コースである。しかし、途中出場のレフト赤松真人はファウルグランドのフェンス際でボールを処理、俊足の梶谷をもってしても、1塁をまわったところでストップすることになったのである。

 赤松は冷静に振り返る。

「あそこは、ランナーが1塁か2塁かでは大きな違いがあります。確かに点差はありましたが、短期決戦ですから、ああいうところから流れが変わってしまうことがあります。フェンス際の難しい打球ではありましたが、なんとかシングルヒットで止められたのはよかったと思います」

【次ページ】死角見当たらず
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