CSファイナル赤松のワンプレーが象徴する、『スキのない』カープの強さ
25年ぶり日本シリーズ進出を決めた広島。今年の強さは投打ともにスキのない野球ができているからだ。
2016/10/17
死角見当たらず
あのスピード、あの経験値。まさに赤松ならではのプレーである。ただ、今年のカープにはこういった意識が選手全体に浸透している。
河田雄祐外野守備・走塁コーチもワンプレーの重みを力説する。
「あの場面で、シングルヒットに止められるのは、かなりの能力です。赤松ならではのプレーだと思います。5点差があっても、やるべきことはやっておく。ちゃんとやっていれば、相手も(カープには)スキがないと思うでしょう」
勢いに乗る強力・ベイスターズ打線を封じたのは、ジョンソンの投球であり、スキを見せないカープ野球であった。ファーストステージの4試合、打率.833の田中広輔で注目されるのはホームランやクリーンヒットだけではない。ファールで粘るべくは粘る場面もプレッシャーをかけたのである。黒星を喫した第3戦では、大瀬良大地、一岡竜司、九里亜蓮、福井優也らが1イニングずつの好投を見せた。代打の西川龍馬も大きな経験を積む中でヒットを放つなど結果を残した。
32年ぶりの日本一へ、広島の街は真っ赤な興奮に包まれている。しかし、レギュラーシーズンを全力で戦い抜いたカープナインに死角は見当たらない。チーム内の競争がある。カープの伝統であるハードワークも変わらない。このチームに「蟻の一穴」は見当たらない。
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