ホークス二軍、一番の成長株は育成・曽根海成。一軍練習参加を糧に、支配下選手目指す
レギュラーシーズン終了からクライマックスシリーズ・ファーストステージ開幕までの大事な期間、育成選手で唯一、ヤフオクドームの一軍練習に参加したのが育成3年目の曽根海成だ。
2016/10/16
優秀選手賞のご褒美は一軍参加
三桁の背中がどんどん大きくなってきた。数字が小さくなるまで、あと少し。レギュラーシーズン終了からクライマックスシリーズ・ファーストステージ開幕までの大事な期間、育成選手で唯一、ヤフオクドームの一軍練習に姿を見せた選手がいた。
福岡ソフトバンクホークスの育成3年目、曽根海成。支配下選手登録の期限である7月には、悔しい思いをした。育成で同期入団の石川柊太、張本優大が一足先に背番号を二桁にした。「結果しかないでしょ!支配下しかない!」決意に満ちた表情で、今オフの支配下獲得へ燃えた。
今季が開幕したばかりの頃、曽根は焦っていた。
「時間がない。3年目だから、無理しないとどんどん置いていかれる……」
育成選手の契約期間は3年。それまでに支配下を勝ち取らなければ一度、自由契約の身となる。その焦りを抱きながら、今季にかける思いを覗かせ、気合を入れていた。
そんな勝負の年、初めて二軍のレギュラーに定着し、ファーム日本選手権では優秀選手賞を受賞する活躍を魅せた。大飛躍の1年、最後のご褒美は一軍参加だった。
「やばい、バリ緊張! 雰囲気にのまれてます……」とポストシーズンの緊張感ある一軍メンバーに混じって、やや硬直状態。意気込みを語ってもらおうと話を続けるも、「ごめんなさい、質問も聴き取れんくらいやばいっす!」と目をキョロキョロさせて、初々しさ全開だった。「とにかく一生懸命やるだけ」必死のパッチでそう話してくれた。
緊張していたというものの、6日のシート打撃では遊撃手を守り、福田秀平の外野に抜けそうな打球を好捕し、華麗な6-4-3のダブルプレーを完成させた。その他の守備機会も難なくこなした。
関川浩一野手総合巡回コーチは、「曽根、良いプレーしたじゃん! 育成とはいえ、ココを目指すんだから経験積んでいかないとね」と二軍でのプレーも見守ってきた関川コーチも笑顔で評価した。「ナイスプレー」とみんなから声を掛けられ、曽根も安堵の笑みを浮かべた。
鳥越裕介内野守備走塁コーチは、ファームでのプレーはほとんど見たことがないというが、曽根の現状を見て、「まだ一軍レベルではないが、二軍のレギュラーなんだし、(背番号を)二桁にしてもいいんじゃないの?」と評価した上で、「次世代を担う3番手、4番手までは来ている。もっと成功体験が増えれば、自信も付くだろうから、これからもたくさん試合に出ていくべきやね。ファームで全試合出るくらいね!」と今後に期待感を示した。一方で、「もうちょっと大人にならないとな(笑)」と、先輩たちにまだまだ気後れし、落ち着きのない様子を笑った。