2015年も〝第二の山口鉄也〟の出現を期待。飯田、土田、萬谷……育成枠から這い上がる選手たち
2005年からスタートし、今季11年目を迎える育成選手制度。薄給など厳しい条件を克服してスターとなった選手がいる一方で、近年では窮地にあえぐベテランたちの〝救いの手〟ともなっている。
2015/01/03
2014年に育成から支配下登録されて結果を残した3投手
2014年の10月に行われたドラフト会議において、12球団合わせて104名の選手が指名を受けた。そのうち育成枠で指名されたのは、ソフトバンクの8名を筆頭に23名にのぼる。
現段階で支配下選手枠の70名に入ることはできていないものの、一軍の公式戦に出場できる支配下選手登録を目指して、奮闘する日々が始まっていく。
最低年俸は240万円、背番号も3ケタと厳しい条件でのスタートとなるが、シーズン途中の7月末までは支配下登録される可能性があり、育成選手といえどもルーキーイヤーから活躍することも不可能ではないのだ。
事実、2014年はシーズン途中の登録期限までに、育成枠から新たに支配下登録された選手は計11名。本人の努力や実力、チーム事情などの巡り合わせもあって、一軍のゲームに出場するための切符を手にした。
横浜の右腕・萬谷康平は2013年の育成ドラフト2巡目で指名を受けて入団。4月27日に支配下登録され、背番号は112から62に変更となった。2014年は中継ぎとして26試合に登板。1勝1敗4ホールド、防御率3.58というプロ1年目としては上々の成績をあげて、今季以降に望みをつなぐ成績を残した。
2012年の育成ドラフト3位でソフトバンク入りした、サウスポーの飯田優也は昨年5月11日に支配下登録。その1カ月にリリーフとしてプロ初登板を経験。1回を三者凡退に抑えて結果を残すと、以降は先発に回って11試合に登板した。シーズン終了時点での成績は2勝5敗、防御率3.24。負け越しはしたが、左腕から繰り出す多彩な変化球は一軍でも十分に通用することを証明してみせた。
育成選手ながら、一軍の春季キャンプに帯同した巨人の右腕・土田瑞起は昨シーズン直前の3月1日に支配下登録を勝ち取った。12試合の中継ぎ登板を経験し、6月15日の楽天戦ではプロ初勝利をマーク。史上5人目となる1球でのプロ初勝利というおまけ付きだった。今季からは背番号が67に変更されることが発表されている。
3度も最優秀中継ぎ投手に輝いた巨人の山口鉄也や、ゴールデングラブ賞を2年連続で獲得したロッテの岡田幸文などが育成選手の成功例としてあげられるが、上記の3選手は山口や岡田のようなスターへと登りつめる可能性を秘めている。