2度の指名も入団を断った江川卓。過去に「ドラ1」指名を拒否した選手【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、過去にドラフト1位指名されるも拒否をした選手の話だ。
2016/10/15
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菅野は1浪して念願の巨人入り
以後のドラ1入団拒否も、意中の球団ではなかったというのが主な理由だ。
98年の沖縄水産高の新垣渚は、松坂世代の逸材とされたが、ダイエーへの入団を希望し、オリックスの指名を断った。
新垣を説得したのは、当時オリックスのスカウト部長だった三輪田。皮肉なことに三輪田もドラ1指名を蹴った経験があったが、新垣の指名拒否の後、沖縄のホテルで投身自殺と、ドラフト指名をめぐる悲劇だった。その新垣も今年、ヤクルトを戦力外になっている。
最近では、2011年の菅野智之(現巨人)が記憶に新しい。菅野は原辰徳前監督の甥であり、巨人とは相思相愛と言われたが、日本ハムも強行指名。くじ引きの結果、交渉権を獲得したものの、菅野は入団を拒否。1年間の浪人生活を経て、翌年巨人から1位で指名されて入団した。
ドラ1を蹴った27人のうち、19人はその後プロ入りしているが、期待外れに終わった選手も多い。
1年間のブランクをしてまで意中の球団に入ったものの、移籍を余儀なくされた選手もいる。
最近は12球団の人気、待遇の格差が小さくなったため、ドラフト1位指名を断る選手は、稀になった。