〝初志貫徹〟メジャーではなく、カープを選択した黒田博樹、最後の決断
12月27日、広島東洋カープは、黒田博樹の8年ぶりの復帰を発表した。これまでと違い、バリバリのメジャーリーガーが日本球界に復帰するのは初めてのケースとなる。
2014/12/29
力の衰えなし、広島は強力な先発陣を完成
来季はソフトバンク・松坂、オリックス・中島、日本ハム・田中賢と多くの日本人大リーガーが日本球界に復帰する。だが、松坂は希望する先発投手でのメジャー契約は絶望的。中島、田中賢にいたっては、マイナー契約での招待選手としてのメジャーキャンプ参加さえ望めない状況だった。厳しく言えば、戦力としてメジャー球界からは必要とされておらず、黒田とは置かれた状況が全く異なる。
これだけメジャーの一線級で活躍している日本人大リーガーが、日本球界に復帰することは、史上初めてのケースといっていい。
期待と同じく、注目度も当然高まる。2年連続クライマックスシリーズ進出を果たした広島の24年ぶりリーグ優勝への機運も高まった。これで先発ローテーションは黒田、前田健、大瀬良、野村まで2桁勝利が期待できる日本人右腕4枚が当確。ここに新外国人左腕ジョンソン、久里、福井らが加わる構図だ。
現在自宅のあるロサンゼルスでトレーニング中の黒田は、2月1日の宮崎キャンプ初日ではなく、同16日からの沖縄キャンプから合流予定。大リーグのキャンプは例年2月15~18日前後にバッテリー組は始動しており、ベテランに配慮された待遇となった。寒い時期に無理して仕上げることなく、身体に染みついたペースで調整できることもプラスに働きそうだ。
黒田は発表したコメントの最後を「今後も、また日々新たなチャレンジをしていきたいと思います」と結んだ。
常に挑み続け、不惑が差し迫った今でも進化を続ける右腕。メジャー全体でも過去13人しか達成していない、メジャー30球団からの白星は、あとタイガースからだけに迫っていた。その快挙は追わず、古巣のユニホームをまとい、24年ぶりの優勝を追う。あと18勝に迫った日米通算200勝も、来季中に到達する可能性は十分にある。バリバリのメジャーリーガーとして、黒田博樹が広島に凱旋する。