期待外れ?期待通り? 2015年ドラフト1位選手の2016年シーズンを振り返る【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、昨年ドラフト1位指名を受けた選手の今年の成績についてだ。
2016/10/19
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大学時代の実績通りの高山
次にセリーグだ。
大阪商業大から広島東洋カープに入団した岡田明丈は、4月1日に一軍登録。主に先発を任された。レギュラーシーズン終盤は救援も経験した。クライマックスシリーズでは先発。優勝に貢献した。
立命館大から読売ジャイアンツに入団した桜井俊貴は、開幕5戦目の3月30日に先発のマウンドを任されたが右ひじに違和感を訴え4.1回で降板。以後、三軍でリハビリ生活を送った。9月に入って二軍戦に登板。即戦力として期待されながらも故障に泣いた1年目だった。
駒澤大から横浜DeNAベイスターズに入団した今永昇太は、左腕先発として開幕から先発ローテーション一角を担った。6月中旬に一時、二軍落ちしたが、援護点が少ない中で8勝を挙げた。チーム初のクライマックスシリーズ進出に貢献した。
明治大から阪神に入団した髙山俊は、金本新監督の「超変革」を象徴する選手の一人となった。134試合に出場し55試合で1番を務めた。東京六大学最多安打記録を更新した実績の通り、シュアな打撃を見せた。新人王有力候補だ。
東洋大から入団したヤクルト・原樹理も即戦力として評判が高かった。開幕から先発ローテーションに入ったが、5月15日から6連敗。6月29日を最後に二軍落ちした。再起が期待される。
最後に中日ドラゴンズに入団した2015年夏の甲子園優勝投手・小笠原慎之介は、開幕二軍スタートだったが5月31日に一軍昇格。先発ローテーションに入りながらも初勝利までの道はながかった。9月4日にはようやくプロ1勝目。まだまだ課題は多いが、平沢同様に大器の片りんを見せた。
各球団は有望選手を徹底的に調べ上げて、ドラフトで指名しているのだが、ふたを開けてみると、前評判と実績が大きく異なることも多いのだ。
今年のドラフト1位選手は1年後、どのような成績を残しているのだろうか?