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似たもの同士の2016年日本シリーズ。広島の勝機は”走力”前面の『アスリート勝負』で

いよいよ22日から日本シリーズが開幕する。今年のセパ王者はまさに似たもの同士といえる。そんな中で、広島はどこに勝機を見出すべきだろうか。

2016/10/21

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広島の武器がいかんなく発揮されたCSファイナル

 CSファイナルステージ第1戦、広島が5-0でDeNAを制した試合は、走力の勝利ともいえた。

 1点を先制したあとの3回裏1死2塁の場面で、広島は4番・新井貴浩が1、2塁間を破る右翼前安打を放つと、2塁走者の丸が悠々と本塁生還。3-0とした後の1死2塁からの場面でも、菊池が中前安打を放つと2塁走者の田中広輔は当たり前のようにホームに還ってきた。

 極めつけは、8回裏の5得点目だった。
 1死から5番の鈴木誠也が四球で歩くと6番・松山竜平の代打・エルドレッドの打球は左中間への痛烈なライナー。これをDeNAの左翼手・筒香嘉智と中堅手の桑原将志の間を破ると、1塁走者の鈴木誠也は本塁まで戻ってきたのだ。

 2死ならまだしも、1死からの生還であったことに、このチームに浸透する走塁意識を感じずにはいられなかった。

 鈴木がこの走塁をこう振り返っている。

「最初は筒香さんが止めるかなと思ったので、3塁を狙おうという意識でした。左中間を破ったので、これは還らないといけないなと思いました。最後は3塁ベースコーチの河田さんの判断でしたけど、あれをいけないようじゃダメだと思います」

 第2戦では1-0の展開から3回裏、1死3塁で3番の丸はセンターへの浅いフライを打ち上げたが、三塁走者の田中は快足を飛ばし、最後は捕手のタッチをかいくぐって生還した。

 ホームラン2発を浴びて敗れて第3戦に1敗を喫したが、第4戦でも走塁の高さを見せつけた。

 1回裏、先頭の田中が四球で歩いて好機を作ると、1死1、2塁で4番の新井が三遊間を破る左翼前安打、2塁走者の田中は悠々生還。続く鈴木の左翼前安打でも、丸が2塁から生還した。エルドレッドの3点本塁打を挟んで、2死1、2塁の好機でも、田中の右翼前安打で、2塁走者の小窪哲也が生還しているのだ。

 5回裏にも広島は、2塁からのヒット1本で生還している。
 この試合は8-7で決したが、数字には表れない走塁で得点を積み重ねての結果だった。点差はたった1点だったが、両者にはかなり大きな差があったように思う。

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