似たもの同士の2016年日本シリーズ。広島の勝機は”走力”前面の『アスリート勝負』で
いよいよ22日から日本シリーズが開幕する。今年のセパ王者はまさに似たもの同士といえる。そんな中で、広島はどこに勝機を見出すべきだろうか。
2016/10/21
聞いていないようで、聞いている選手が多い
鈴木は自身にある走塁意識についてこう語る。
「次の塁を狙うのを諦めて失敗するより、行って失敗したほうがいいという意識を持つようになりましたね。それまではどちらかというと消極的だったんです。積極的に行く中で、行くべきだったか、行くべきではなかったなというのを少しずつ覚えていって今の走塁ができるようになりました。シーズン中から走塁をきっちりやる意識ができてきたので、大事な短期決戦、1戦必勝の戦いで、生きているのかなと思います」
もちろん、鈴木や田中、菊池など俊足の選手がその走塁を見せつけているのは否めないが、第4戦がそうだったように、そこまで俊足ではない小窪が好走塁を見せていることは見逃せない点だろう。
3塁ベースコーチを務める河田外野・守備走塁コーチは言う。
「1戦目の鈴木の走塁は絶対に獲らないといけない打球だったと思うし、そういう走塁が出たときに褒めてやることも大事。それはね、鈴木の足が速いからではなく、新井や石原、小窪たちベテランたちにも話している。選手の中には“聞いているようで聞いていない”選手っているんですけど、今年のチームは聞いていないようで聞いている選手が多い。この前に言ったことができなくなって後戻りということが少ないチームなので、聞いてくれているのが浸透しているのかなと思う」
広島はセリーグ界随一の“アスリート集団”といえる。もっとも、日本ハムも走力が高い。簡単に上回ることができる相手ではないが、共に広いスタジアムを持っているチーム同士の日本シリーズの対決なだけに、“アスリート勝負”へともっていきたい。
広島ナインがダイヤモンドを駆けまわる機会が増えることになれば、ぐっと勝機が高まるような気がしてならない。