巨人、吉川尚輝が内野に加わる効果。1位指名した3つの理由【死亡遊戯コラム】
20日に行われたドラフト会議で読売ジャイアンツはドラフト1位指名において、田中正義と佐々木千隼を抽選で外すと、3度目の入札で大学No.1野手との評価も高い吉川尚輝を指名した。
2016/10/22
高木遊
坂本のバックアップ要員にも
さらにもう一つ、ここ数年の巨人の大きな課題が「坂本欠場時のショート代役不在」である。
攻守の要でもある背番号6が故障離脱すると、昨季はすでに40代に突入していた井端弘和(15年限りで引退)、今季は下半身に故障を抱えるクルーズが代役遊撃手を務めた。
原監督時代から内野のユーティリティープレーヤーとして重宝されてきた33歳寺内も、打率.129と相変わらず打撃に大きな不安を残す。
つまり近年のチームには、1軍レベルのショートストップが坂本以外にいないという状況が続いていたわけだ。
そこで注目されるのは、スピード溢れる遊撃守備は大学の先輩・菊池涼介(広島)を彷彿とさせると評判のドラ1吉川の存在である。
絶対的レギュラー坂本がいる限り、若手を1軍の試合に出して経験を積ませながら育てるのは難しい。
だからこそ、すでに守備はある程度完成してる即戦力遊撃手に白羽の矢が立った。
もちろん来季だけではない。吉川は95年2月の早生まれ。気が早い話だが、88年12月生まれの坂本が35歳のシーズンに吉川は28歳になっている。
数年前まで球界最高のショートと称された阪神の鳥谷敬が30代中盤で一気に遊撃守備が衰えたことを考えると、将来的な世代交代としても坂本と吉川はちょうどいい年齢差と言えるだろう。