日本シリーズ初戦で敗れた大谷翔平。メジャー通算256勝投手が指摘、今こそ二刀流の利点を実践する時
22日の日本シリーズ初戦に登板したエース・大谷翔平は6回3失点で負け投手になった。しかし、二刀流の良さはここからにある。
2016/10/23
メンタルのバランスが保てる
この大谷についてはヤンキースなどで2013年までプレーし、メジャー通算18年間で256勝をマークしたアンディ・ペティット氏が昨年7月、米スポーツ専門局『ESPN』の討論番組に出演して興味深い言葉を残している。
番組司会者から「日本球界には大谷翔平という将来メジャーリーグへの移籍希望を持つ選手がいて、投手と打者の両方で優れた実績を残している」と振られると、同氏は「彼のことは、多くの人から聞いて耳にしている」と述べ、こう続けていた。
「投手と野手の両面で活躍できるなんて、彼(大谷)が羨ましいね。先発投手はマウンドに立って悪い結果が出てしまうと、そのうっ憤を次の登板機会まで晴らすことができない。つまり場合によっては気持ちの切り替えが出来ず、心がクリアにならないこともある。スランプに陥るケースは、そういう時が多いね。長いこと、この世界にいればこれは投手ならば誰しもが経験することだ。しかし彼はマウンドで結果を残せなかった日があったとしても、今度はすぐに別の日に打者としてバットで暴れまわることができるわけだろう。『two-way Player(二刀流)』はメンタルのバランスをうまく保つことができる。そういう意味で彼には大きなアドバンテージがあるのではないだろうか」
このペティット氏の言葉に対し、同番組に出演していた元チームメイトのホルヘ・ポサダ氏(元ヤンキース捕手)も大きくうなずいていた。
マウンドで味わった屈辱はバットで晴らす。そして次回の登板機会で〝倍返し〟にする。かつてペティット氏が指摘していたように、大谷は自分にしかできない二刀流の利点を今こそ最大限に生かす時だ。