黒田博樹は日本一で有終の美なるか? 日本シリーズでのプレーを最後に引退した男たち
第3戦に先発する黒田博樹は今季限りでの引退を発表している。過去にも日本シリーズを花道に引退した名選手がいる。
2016/10/25
打者では中畑、新庄も……「ミスター赤ヘル」山本浩二は日本一ならず
打者に目を向けてみよう。
大洋から巨人に移籍し、81年に引退した松原誠は、同年の日本ハムとの日本シリーズ第1戦(後楽園)9回表に代打で登場。江夏豊から一時は同点となるソロ本塁打を放つ。
同じ年に引退した柴田もこの日本シリーズが最後の舞台となり、10打数4安打1打点と活躍した。巨人はこの年、4勝2敗で日本一を達成している。
中畑清は89年の近鉄との日本シリーズが最後。巨人は近鉄に王手をかけられていたが、3勝3敗とタイに持ち込み、藤井寺球場で第7戦を迎える。この試合の6回、代打で登場した中畑は吉井理人からソロ本塁打を放つ活躍を見せると、チームは3連敗から4連勝を飾り、崖っぷちから日本一の座を掴み取った。
北海道に移転した日本ハムの顔となり、ファンから愛された新庄剛志(当時の登録名はSHINJO)は、06年の中日との日本シリーズで引退。現役最後の打席は涙を浮かべ、空振り三振に終わった。日本ハムはこの年、44年ぶりの日本一を達成している。
「ミスター赤ヘル」山本浩二は、86年の西武との日本シリーズで引退。日本シリーズ史上初の第8戦までもつれた激戦のシナリオは、背番号8のバットから描かれた。第1戦の9回裏、完投勝利目前の東尾から同点の右越え本塁打をかっ飛ばす。この試合は延長14回の末、2-2の引き分けに終わる。
広島はこのシリーズ、第4戦で王手をかけながら4連敗。逆転で日本一を逃した。山本は全8試合4番としてスタメン出場を果たしたが、32打数6安打で打率は.188。
しかし、数字以上に強烈なインパクトを残した男は、惜しまれながら18年間の現役生活に別れを告げた。
ヤクルト、巨人、阪神と渡り歩いた広澤克実は03年のダイエーとの日本シリーズ第7戦に代打で登場し、現役最終打席が左越えの本塁打となった。昨季は、ヤクルトのユウイチがソフトバンクとの日本シリーズ第5戦の7回裏、代打で二塁ゴロに倒れると、これがプロ生活最後の打席となった。2人とも日本一は逃している。
黒田も過去の選手たちと同様、現役最後の雄姿を日本シリーズで披露する。カープ32年ぶりの日本一へ、新たな歴史を刻む。