「故郷に帰るのは自然な情感」と米記者も理解。カープ復帰の黒田博樹、先発能力の高さを示したMLBでの7年間【豊浦彰太郎の MLB on the Web】
米記者が、黒田の帰国判断を「故郷に戻りたいのはごく自然なこと」と冷静に捉えている。また、彼は比較的見過ごされがちな安定性や耐久性に黒田の真骨頂を見出し、客観的データで評価している。
2015/01/01
野球人生の最後を故郷で
黒田博樹の広島への復帰についてのコラムは、ここ数日日本のメディアを大いに賑わせた。
現地時間12月29日、『FanGraphs』に掲載されたオーガスト・ファガーストローム記者の「黒田博樹を正当に評価する」では、過度に情緒的になることなく冷静に黒田の決断への理解を示し、メジャーでの業績をあくまで客観的なデータを用いて評価している。
記者は、普段は主としてクリーブランド・インディアンスをカバーしている。ヤンキースやドジャースの番記者ではないだけに、そのニュートラルな視点は説得力を持つ。
The 39-year-old free agent pitcher, most recently of the New York Yankees but also formerly of the Los Angeles Dodgers, decided to return to his former team, the Hiroshima Toyo Carp, in his homeland of Japan. Kuroda had worked on one-year contracts each of the last four years –
weighing the decision of whether or not to return to Japan heavily each season.
直近ではヤンキースの、またその前はドジャースに所属していた39歳のFA投手は、彼の故国でのかつての所属球団である広島東洋カープに戻る決心をした。黒田は過去4年、1年契約を貫き通した。それは、毎年日本に帰るかどうかを慎重に判断するためのものだった。
黒田は日本に戻るが、それはより多くの報酬を得るためのものではない。実際、カープから得られるのは330万ドル(約4億円)でしかないことを、記者は紹介している。ちなみにここでも、日本では散々報じられた「パドレスが21億円(1800万ドル)を提示したらしい」という内容には一切触れられていない。
It almost certainly is a matter of a nearly 40-year-old man simply desiring to go home, back to the place in which he grew up and lived for the first 32 years of his life. And back to the team he called his own for the first 11 years of his professional baseball career.
(330万ドルぽっちのサラリーしか得られないにもかかわらず帰国するということは) 間違いなく、もうじき40歳の男が純粋に心の故郷に帰りたいということだ。生まれ育ち、人生の最初の32年間を過ごした国に。そしてプロに身を投じて11年を費やした球団に。
黒田の決断をシンプルに「故郷に戻りたいという、人間としてごく自然な情感」として捉えている。