日本シリーズでも打撃好調の大谷翔平、投手30年ぶり本塁打への期待。最後の記録は、カープとファイターズに在籍した投手
3戦目のサヨナラ安打含め、日本シリーズでも3試合で5安打と打撃好調の大谷。過去には打撃でチームの日本シリーズ制覇に貢献した投手も多い。大谷には、日本シリーズでは30年ぶりとなる投手による本塁打の期待がかかる。
2016/10/26
3連敗から4連勝へ導いた稲尾様
ピッチングのみならずその一打でも伝説となっているのが、1958年の稲尾和久(西鉄)。西鉄ライオンズ対読売ジャイアンツとなったこの年のシリーズ、巨人が3戦を先取し王手をかけるも、4戦目は打線の奮起と稲尾の完投で西鉄が勝利。そして5戦目、稲尾は3点ビハインドの4回からリリーフに上がると以降7イニングを無失点、打線も終盤に3点を返し、同点で試合は延長戦を迎える。10回表も0点に抑え、その裏打席に入った稲尾は、走者無しからレフトスタンドへまさかのサヨナラホームラン。
日本シリーズ開催9年目、54試合目にして初めて飛び出したサヨナラ本塁打はピッチャーによるものだった。
稲尾は6戦目で完封勝利をあげると、7戦目では1失点完投に加え、勝負を決定づける犠牲フライ。1人で4勝をあげる活躍で、史上初の3連敗4連勝の立役者となった稲尾、その人間離れした活躍ぶりをファンは「神様・仏様・稲尾様」とあがめた。
1試合のインパクトという点では、稲尾にも劣らない試合を見せたのが1973年の堀内恒夫(巨人)。南海とのシリーズ、1勝1敗で迎えた第3戦に先発した堀内は、3回に左翼席へ先制弾を放つと、リードを3点に広げた6回にはこの日2本目となる2点本塁打。
本業のピッチングでも南海打線を6安打2点に抑え、完投勝利。まさに堀内の独り舞台、この勝利で勢いに乗った巨人は、続く4、5戦目も勝利を収めてV9を達成した。
1950年の初開催以降、これまで66度開催されている日本シリーズだが、投手による本塁打は過去に10本だけしか出ていない。その内5本は1950年代に生まれており、平成以降に出た本塁打は未だに0、直近でも1986年まで遡る。