FA獲得は外野手がオススメ? 過去にも金本、和田、内川ら成功者多し【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、過去のFA選手についてだ。
2016/10/26
Getty Images
00年以降は56例
日本シリーズは熱戦で盛り上がっているが、シリーズ終了の翌日から土、日、祝を除く7日間、NPBの選手はFA宣言することができる。
FA(フリー・エージェント)とは、選手が所属球団を離れてどの球団とも契約することができるステイタスのこと。
NPBでは1993年に導入された。制度の変遷はあったが、NPB規約によると、2006年以前のドラフト会議で指名された選手は8年。2007年以降に同会議で指名され、その当時、大学野球連盟または日本野球機構に所属していた選手は7年、一定以上の期間出場選手登録されることで、国内FA権を取得することができる。
※出場選手登録(1軍登録)145日を1年として換算。
一度FA宣言した選手は、その後累計4年で再度FA権を取得することができる。
現在は、各球団ごとに在籍する日本人選手の年俸をランクわけしている。上位3位までをランクA、4位から10位までをランクB、11位以下をランクCとする。前球団でAとBのランクの選手が他球団へ移籍する際、前球団は移籍先の球団から一定の金銭補償に加え、プロテクトされていない選手を1名獲得することができる(人的補償)。
1993年からのFAによる移籍では13年間で56例ある。
00年以降のFA元とFA先での安打数、勝利数、さらに移籍後の安打数、勝利数を移籍前の安打数、勝利数で割った比率も記した。この数字が大きければ、FA選手は移籍後の球団で活躍したことを意味する。
NPBでのFA移籍の事例を振りかえると、殿堂入り選手が含まれるなど、錚々たる顔ぶれだ。
しかし個別の状況は様々だ。全盛期にFA年限に達し、高額の年俸で他球団に移籍する例もあれば、力が衰えてから移籍するケースもある。
ベテランの捕手がその経験を買われてFA移籍することもある。
00年以降、最も多くのFA移籍選手を出したのは西武(8人)、続いて日本ハム(7人)、中日(6人)、横浜(6人)。パリーグの球団が多い。
FA選手を受け入れたのは巨人(13人)が圧倒的に多く、ソフトバンク(8人)がこれに次ぐ。