FA獲得は外野手がオススメ? 過去にも金本、和田、内川ら成功者多し【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、過去のFA選手についてだ。
2016/10/26
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外野手の移籍例は少ないが成功者多し
興味深いのは、表の最下段に載せた守備位置別の移籍元と移籍先での成績の比較。
投手は移籍先での成績が最も悪い。投手は環境が変わると実力が発揮できなくなるケースも散見される。肩やひじを故障することもある。リスクがあると言えよう。
対照的に圧倒的に成績が良いのが、外野手。事例は少ないが、ほぼ移籍前に近い安打数を打っている。環境の変化に強いポジションということができる。
2002年には広島の金本知憲が阪神にFA移籍。FAで移籍した最初の外野手だったが、金本は両球団で1000本安打。阪神でも「兄貴」と呼ばれる主力打者になった。
2004年、大村直之は近鉄からソフトバンクにFA移籍して、1番を打つなど活躍。またヤクルトの稲葉篤紀もメジャーリーグ挑戦のためFA宣言するものの叶わず、日本ハムが獲得に名乗りを上げて、セリーグからパリーグへ移籍。その後、日本ハムの優勝の立役者となった。
2007年の和田一浩は、西武から地元の中日にFA移籍。彼も両チームで1000本安打。大杉勝男、落合博満に続く両リーグ1000本安打も記録した。
最近では2010年に横浜から地元のソフトバンクにFA移籍した内川聖一だ。移籍後6年間のうち5年で3割をマーク。中心選手として君臨している。
FA選手を獲得するなら、外野手だということが言えよう。
今年は有力な外野手が複数FA宣言すると言われる。日本シリーズの翌日に注目だ。