プロ野球選手として、いちばん大事なのは「環境」!【元ロッテ・里崎智也が語るプロ野球選手論④】
読者のみなさま、新年あけましておめでとうございます。全国のマリーンズファンにお届けしてきたこのコラム。2015年の1発目は、当初の予定より大幅にボリュームアップしてお届けしてきた里崎智也氏の超ロングインタビューが、よもやの越年! きっと心は今でも千葉ロッテマリーンズとともにあるに違いない大天使の、よそでは読めない本音トークで、よい正月をお過ごしくだされ!!
2015/01/01
プロでのブレイクがボビー政権下という強運
──一方、里崎さんが逆指名で入団したのは、マリーンズが〝弱小〟の名をほしいままにしていた、かの〝悪夢の18連敗〟の直後。やはりそこにも「俺が強くしたろ」的な、野心が?
里崎 もちろん、それも多少はありましたよ。でも、これは誰しも同じやと思いますけど、いったんプロに入ってしまえば、結果を出して、1軍に上がって、自分の立ち位置・居場所ができるまでは、チームのことなんて考えてる余裕はまったくない。上の調子がよければ、それだけ自分に回ってくるチャンスは減るわけですから、ぶっちゃけ、2軍にいる間は、「負けろ、負けろ」と思ってたくらいです(笑)。
──そんな里崎さんが〝チーム愛〟に目覚めたのは、やはりボビー政権の誕生前後ですか?
里崎 そうですね。ようやく試合に出られるようになって自分に自信がついてきたときと、ボビーが監督になってチームが変わり始めた時期とが、たまたまちょうど重なった。あの18連敗で、逆にファンの方たちのモチベーションに火がついて、応援なんかが盛り上がっていったのと並行して、僕自身も成長していけたんです。そういう意味でも、僕はホンマに強運に恵まれすぎてると、自分でも思いますよ。だって、自分の成長曲線がピークを迎えたときに、もしボビーが監督じゃなかったら、絶対、今の僕はないですから。
──従来の価値観からすれば、〝オンステージ〟なんかもありえなかったわけですもんね。
里崎 マリーンズが、そういうことにどれだけ寛容やったとしても、ボビーじゃなかったら、歌なんて唄えてない。だから、僕は「プロ野球選手として、何がいちばん大事か」って聞かれたら、「環境」って答えます。いくら僕が〝調子乗り〟でも、それが許される環境がなければ、あんなことはしてませんからね(笑)。