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由伸巨人再建への3つの強化ポイント。ヒントは2012年、原巨人にあり【死亡遊戯コラム】

日本シリーズを戦う2チームを除き、すでに他10球団は来季に向けてスタートを切った。巨人が来年優勝するためには何が必要なのか。

2016/10/28

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ラミレス、小笠原が去っても4番を務められる男がいた

鈴木尚広が引退し、加藤健もチームを去った。
これで巨人には90年代入団選手がいなくなり、生え抜き最年長は37歳の阿部慎之助である。

広島と札幌で白熱する日本シリーズの裏で、来季に向けてひっそりとスタートを切った由伸巨人。
今季はなんとか2位を確保したものの、5年ぶりのCSファーストステージ敗退とチームは五冠達成した2012年をピークに年々緩やかに成績を下げている。
今回は「2012年の原巨人」と「2016年の由伸巨人」を比較した上で、現在のチームの強化ポイントを検証してみよう。

1.「4番阿部慎之助」の代役探しは急務
今思えば、2012年はこれまでの小笠原道大とアレックス・ラミレスから、当時33歳の阿部のチームへと大きく変貌したシーズンだった。
前年まで主軸としてクリーンナップを組んでいたオガラミコンビ。
だが、レフト守備に不安を抱えていた4番ラミレスは退団してDeNAへ移籍。さらに小笠原も統一球導入後に急激に成績を落とし2軍生活が続いていた。
すると、12年は彼らに代わり4番に座った阿部が打率.340、27本、104打点という好成績で首位打者、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得。まさに背番号10はチームの大黒柱として日本一に貢献した。
ここ数年、「捕手阿部」の後継者問題が話題になるが、小林誠司や2軍の若手捕手どうこう以前に、現在の球界全体を見渡しても阿部の後継者となり得るような捕手は存在しない。
いわばキャッチャー阿部慎之助は数十年に1人というレベルの選手だった。

だが「捕手阿部」ではなく、「4番阿部」の代役ならどうだろうか?
今季、右肩の故障で出遅れた阿部は1軍復帰後もマスクは被らず一塁専任。
プロ入り後最少の91試合の出場で、打率.310、12本、52打点と一定の数字は残したものの、「4番ファースト」として考えると物足りない成績に終わった。
久々に3割、25本をクリアした村田修一も12月で36歳と阿部と同世代。由伸監督が新たな主軸を作ろうと、4番起用を続けた長野久義は結果が出ずに約2カ月で挫折。
こんな時こそ、助っ人選手に期待したいところだが、開幕4番スタートのギャレット・ジョーンズは気が付けば6番レフトで定着して24本塁打を放つも、ポストシーズンでは脆さを露呈し11打数無安打と大ブレーキ。
若手ではイースタン打点王を獲得した岡本和真に期待が懸かるが、今季1軍出場わずか3試合のハタチにいきなり打線の救世主を期待するのは酷だろう。
となると、来季の巨人で阿部の代わりに4番が務まるような選手はあの男しかいない。
2016年、自身初の首位打者を獲得した坂本勇人である。
もしかしたら、11年から12年にかけてオガラミから阿部のチームへと世代交代をしたように、16年から17年は名実ともに阿部から坂本中心のチームへと変貌していく過渡期なのかもしれない。
由伸監督が、来季どんなオーダーを組むのか注目だ。

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