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育成から侍ジャパンへ。ホークス千賀滉大、成長の原動力

今季は先発ローテーションを守り抜き、12勝3敗の好成績を挙げた千賀滉大。育成契約で入団した当時から高いプロ意識を持ち、チームの主力選手へ成長を遂げた。

2016/11/11

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育成出身では2人目の2ケタ勝利

「育成制度がなければ、生まれなかったプロ野球選手もたくさんいる……」
 
 昨季、1軍では4試合の登板で2勝1敗だった男は、この1年で大きな飛躍を遂げた。
 育成出身の千賀滉大だ。
 
 自身初めて、今季は先発ローテーションを守り抜き、12勝3敗。育成出身投手として史上2人目(先発投手では初、パリーグでは初)の2ケタ勝利を達成した。防御率2.61(チーム1位、リーグ3位)、奪三振181(チーム1位、リーグ2位)の活躍も魅せ、フル回転。なお来年3月に開催される第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)に向けた侍ジャパン強化試合の代表メンバーに選出され、自身初の侍ジャパン入りも果たした。
 
 強化試合第1戦のメキシコ戦では、2番手としてマウンドに。3回3失点(自責2)ではあったが、最後のイニングでは持ち球のフォークも安定し、4三振を奪ってみせた。
 
 千賀は、2010年育成ドラフト4位で入団。1年目の主戦場は3軍だった。しかし、順調にオフを過ごし、2年目は開幕2軍。そこで好投が続き、早くも4月23日には支配下選手登録された。
 
 2009年からファームで投手コーチを務め、千賀をルーキーイヤーから指導する倉野信次コーチ(2016年は投手総合巡回コーチ、2017年より投手総括コーチ)の掲げる育成方針は、『とにかく体を鍛える』『ピッチングフォームのことは基本的に言わない』『プロ意識を持たせる』という3点だ。
 
 一見、特別なことではないように思えるが、独自の選手の見方や目の付け所があり、それぞれの選手に、今、何が大事なのかを分析して指導しているという。
 
 さらに「プロとアマの違いをしっかり説明して、甘くないんだよっていうのを理解させる」と話すように、プロとしてやっていく上で重要な気持ちの面の指導も大切にする。
 
 千賀に関しては、当時からプロ意識を強く持っていた。
 
「元々の素質もあるが、入団時の2倍も3倍も成長したし、その成長速度が異常に速かった」と今に至るまでの千賀の努力を称えた。

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