FA目玉・オリックス糸井に熱視線? 阪神、補強ポイント合致も外野のポジションがネックか
今オフのFAの目玉の1人であるオリックス糸井嘉男。阪神が獲得に興味を示していると報じられているが、果たして現在のチーム状況にフィットするのか。
2016/11/02
1番は解決、外野のポジションは?
来年巻き返しを図る上で出塁能力と脚力を兼ね備えている糸井は、阪神タイガースの補強ポイントと合致する。
今季の阪神は1番打者に、ルーキーの髙山俊や入団4年目でブレークを遂げた北條史也ら10選手を起用。最も多かった髙山でも55試合と結局年間を通してリードオフマンを固定することが出来なかった。
チーム盗塁数59もリーグワースト。2ケタ盗塁を達成したのは、13盗塁の鳥谷敬のみで、次点は6盗塁の北條と西岡剛。首位・広島東洋カープがチーム全体で118盗塁、2ケタ盗塁5人を擁したのと比べれば機動力不足は明らかだ。
仮に加入となれば、リードオフマン不在と、機動力不足という二つの弱点解消に繋がる。糸井が1番に入り、11人を起用、最多出場は出塁率.270の大和と、1番以上に人選に苦労した2番打者に北條が入れば、チームの得点力は大きくアップするはずだ。
一方で問題となるのが、守備時のポジション。
糸井の加入が実現すれば、外野手は主に今季4番を務めた福留孝介、新人王最有力候補の髙山、そして糸井で固められるだろう。しかし今季、阪神では主に福留がライト、高山がレフトを守ったが、糸井も今季守ったのはライトのみ。経験があるとはいえ来季36歳の糸井、40歳の福留に運動量の多いセンターは任せづらい。センターを髙山に任せても、今度は糸井か福留がほとんど経験のないレフトに回ることになる。
さらに膝に故障を抱える糸井はこの2年間DHでの出場も増えている。人工芝の京セラドームから天然芝の甲子園に移ることでの負担減を含めてもなお、DHのないセリーグでフルシーズンプレーできるかには不安が残る。
また阪神では今シーズン、「超変革」のスローガンの下、多くの若い力が台頭してきた。髙山、北條、原口文仁がレギュラーに定着したほか、外野手では2年目の江越大賀が191打数で7本塁打と長打力の片鱗を見せ、21歳の横田慎太郎はシーズンでは不振に終わるも開幕スタメンを獲得、22歳の中谷将大やルーキーの板山祐太郎が100打席を突破するなど、多くの選手が実戦経験を積んだ。
FA宣言の締め切りは11月9日、FA選手との交渉解禁は11月11日となっている。オリックスは超大型契約を提示しているといわれる。残留か、新天地か――目が離せない日々が続きそうだ。