期待の若手が多数! 2015年の〝年男〟たち
特に縁起がよいとされる〝年男〟を迎えた年に、プロ野球選手はどんな活躍を見せるのか2015年は未(ひつじ)年生まれで、今年に入って年男を迎える選手たちを見ていきたい。
2015/01/03
36歳の年男はビッグネームがズラリ
ここまで、今年24歳の年男となる選手で、さらなる活躍やブレイクが期待される主な選手を見てきたが、ひとつ気をつけなければならないことがある。
それは、特に運気が悪いとされる厄年。年齢の定義には諸説あるが、24歳は年男である一方、その年の年齢に1歳を足した数え年で25歳となり、42歳や61歳と並んで男の“本厄”といわれているからだ。
前回、昨年24歳を迎えて活躍を果たした年男の選手を数多く紹介したが、一方で思うような成績を残せなかった選手も少なくない。
一昨年に打点王(110)に輝いた浅村栄斗(西武・1990年11月12日生)は、試合中のアクシデントで足を痛めて成績が下降。打点は一昨年の半分の55にとどまった。また、2013年にルーキーながら最多勝(16勝)、最高勝率(.800)のタイトルを獲得した小川泰弘(ヤクルト・1990年5月16日生)も、シーズン序盤に右手の骨折によって戦線離脱。わずか9勝(6敗)に終わっている。
続いて、今年36歳を迎える年男の選手たちを見ていこう。1979年生まれ、未年の選手たちだが、さすがにこの年齢まで現役を続けていることもあって、ビッグネームがズラリと並ぶ。
阿部慎之助(巨人・内野手)
1979年3月20日(35歳)。昨年は下半身の故障もあって、不振のシーズンとなったが、今年から一塁に正式にコンバート。心機一転をはかり、年男となる今年に完全復活を目指す。
能見篤史(阪神・投手)
1979年5月28日(35歳)。昨年は9勝に終わり、連続2ケタ勝利が3年で途切れたものの、奪三振数は151を数えるなど力はまだまだ十分。シーズンを通しての先発ローテの死守と2ケタ勝利の復活が目標となるか。
五十嵐亮太(ソフトバンク・投手)
1979年5月28日(35歳)。昨シーズンは中継ぎとして63試合に登板。1勝3敗2セーブ44ホールド、防御率1.52という成績をあげた。しかし、やや安定感を欠く場面もあり、今年はベテランらしい落ち着いた投球が求められそうだ。
平野恵一(オリックス・内野手)
1979年4月7日(35歳)。昨年はセカンドや外野で120試合に出場。シーズン通算121安打を記録するなど、その実力は健在。年男となる来季も、十分にチームの戦力として活躍するだろう。
その他、36歳の年男を迎える主な選手には、2003年に最多勝を獲得した井川慶(オリックス・1979年7月13日生)、捕手としてWBC日本代表にも選出されたことがある石原慶幸(広島・1979年9月7日生)、昨年先発として6勝をあげた帆足和幸(ソフトバンク・1979年7月15日生)などがいる。
いずれも、チーム内で必要とされる存在だけに、ベテランらしい活躍が期待されるところだ。
ちなみに、年齢の考察という意味では、球界最年長選手の山本昌(中日)の存在を忘れてはならない。今年8月で50歳を迎える31年目の大ベテラン左腕はプロ入り後、3度の年男(24歳、36歳、48歳)と、2度の本厄(数えで25歳、42歳)を経験している。それぞれの年の成績は以下の通り。
■1989年(24歳の年男、数えで25歳の本厄)
35試合9勝9敗1セーブ、防御率2.93。プロ入り後初めて、シーズンを通して一軍に帯同した年となった。年男の幸運と本厄の不運を、白星と黒星が同数で相殺した形だろうか。
■2001年(36歳の年男)
28試合で10勝13敗、防御率3.63。プロ入り後初の2ケタ黒星も、何とか2ケタ勝利を達成して、年男の面目躍如。
■2006年(数えで42歳の本厄)
27試合の登板で11勝7敗1セーブ、防御率3.32。ノーヒットノーランを達成するなど40代とは思えない活躍ぶりで、本厄を吹っ飛ばした。
■2013年(48歳の年男)
16試合の登板で5勝2敗、防御率4.46。プロ入り30年目のシーズンは、セ・リーグ最年長安打・打点記録も更新。
こうして見ると、周りや環境に惑わされず、淡々と自分のペースで歩めているか。山本昌が30年にもわたってプロで活躍できる秘訣が、ここに表れている気がする。
※カッコ内の年齢は2015年1月1日時点。