桜美林大・佐々木を競合の末に獲得したロッテ。即戦力重視のドラフトに伊東監督「今いる選手にいい刺激を与えられれば」
2016年のドラフト会議で、投手7人、捕手1人、外野手1人の合計9人を指名した千葉ロッテ。今回の指名について、伊東監督は「90点から100点に近い」と評価している。
2016/11/05
今年のドラフトキーワードは『即戦力』
ロッテは1位の佐々木を含めて、投手7人(育成1人)、捕手1人、外野手1人(育成)を指名した。
その中で特に気になったのは、大阪ガスから2人、酒居知史(2位)、土肥星也(4位)を同時指名した点だ。
ロッテは昨年のドラフトでも、JR東日本から関谷亮太、東條大樹を獲得した。2人は今季、1軍デビューを果たしているだけに、酒居、土肥の二人にも彼らに続く活躍が期待される。
酒居は大阪ガス入社1年目から安定感のあるピッチングを披露。担当スカウトの下敷領悠太氏は「力みのない投球フォームで、直球と変化球をきっちりと内外へ投げ分けることができる」と評価している。即戦力の先発投手としての期待が高く、先発ローテ4、5番目あたりを狙いたい。
土肥は、二木と同世代(1995年生まれ)の高卒3年目の指名で若い投手。「球威があり、角度の良い直球を投げ込む大型左腕。147キロのストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップを組み合わせた投球をする先発タイプ」と、下敷領担当スカウトは分析している。
3位指名の島孝明(東海大市原望洋高)は、佐倉市出身で地元発のスター選手としての期待がかかる。
島は、180センチ82キロと恵まれた体格を持ち、今春には150キロを超える球を連発。担当スカウトの山森雅文氏は「持ち味は直球で、カット系スライダーのキレが良く、クレバーな投球をする」と高い評価をつけている。先発、中継ぎのどちらもできる器用さも持つ。地元出身の投手だけに、大事に育てたいところだ。
5位に指名した有吉優樹(九州三菱自動車)は西野勇士と同じ91年3月生まれ。山森担当スカウトは、「重い球質の直球とカットボールが特徴の安定感ある投手で、ボールが低めに集まることも特徴の一つ。1年目から先発ローテ―ションに食い込める力がある」と評している。先発に再転向する同い年の西野、同期入団の酒居と切磋琢磨することになる。また、有吉も千葉県(大網白里)出身。活躍すれば、きっと人気選手になるはずだ。
その他の指名選手は、6位は種市篤暉(八戸工大一高)、7位は宗接唯人(亜細亜大)を指名した。
八戸工大一高の卒業生でプロ野球OBに森内壽春(日本ハム)がいるが、高卒でのプロ入りは種市が初めて。井辺担当スカウトは、「140キロ後半のストレートをはじめ、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップと多彩なボールを持つ。ポテンシャルが高く、将来、一軍での活躍が期待される」。即戦力ではなく、将来を見越しての獲得だ。二木のように、2年目のシーズン終盤で初登板、3年目でローテ入りという青写真を描いてもらいたい。
宗接は「地肩があり送球も良い捕手。打撃面では、パンチ力があり、小技も使える。さらに、足もあり、走れる即戦力タイプ」と諸積兼司担当スカウトはいう。今季115試合でスタメンマスクを被った、同い年の田村と正捕手争いも期待できそうだ。
支配下の選手はここまでだが、今季は大木貴将と柿沼友哉が育成から支配下に登録されるなど、他球団に比べて、支配下登録されやすい傾向にあるロッテだけに、今季の育成指名選手も気になるところだ。